合同会社設立のメリットとデメリット

合同会社を設立するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

事業と経営者の責任を分離できる

個人事業主の場合、社長個人の生活費を管理している銀行口座と、事業用の口座が一緒になっているということも珍しくありません。

個人事業の場合、これでも法律上は特に問題はないのですが、事業の損益を正しく把握し、税金の計算に誤りが生じないようにするためには、事業と社長のプライベートな資金は明確に分けておくことが望ましいと言えます。

合同会社のような法人を設立すると、会社のお金と社長個人のお金は明確に分けることになります。

社長個人のお金と事業のお金がきちんと区別されているかどうかは、金融機関の融資を受けるような場合にも評価の対象としてチェックされるポイントとなるため、事業開始初期の段階から検討しておくと良いでしょう。

株式会社と異なり、決算公告の義務がない

株式会社の場合、年に一度は決算書を公告(だれでも見れる状態にすること)しなくてはなりません。

公告には費用がかかりますが、合同会社の場合はこの公告の義務はないとされているためにこの費用を節約することが可能となります。

ただし、証券取引所に上場していない企業の場合には決算書を公告しなくても罰則というものはありませんから、実際には決算書の公告を行う非上場企業はまれです。

株式会社と比べて、組織運営の自由度が高い

合同会社は、株式会社と比べると会社の組織運営を柔軟に行える(組織設計の自由度が高い)といえます。

例えば、組織に複数の経営者がいるような場合には取締役会を設置する取締役設置会社となることが考えられますが、株式会社の場合には取締役会を置く場合には監査役を必ず置かなくてはならないなどの法律上のルールがあります。

合同会社の場合にはこうしたルールは基本的に存在せず、会社の根本ルールである定款に職務内容を定めることによって自由に組織運営を行うことが可能になります。

配当を出資額と関係なく行える

株式会社では設立時に財産を供出した人に対してはその財産の金額に応じて株式を平等に発行しなくてはなりません。

会社の事業から利益が発生した場合には配当として出資者に利益を還元することが考えられますが、その際にはこの保有株式数に応じて配当額を計算しなくてはならないというルールがあるのです。

一方で、合同会社の場合にはこのような縛りは存在せず、出資した金額の割合に応じた形でなくても、出資者に自由に配当を行うことができます。

ただし、会社が債務超過の状態であるにもかかわらず、出資者に対して配当を行うと会社の債権者の利益を侵害することになってしまいますから、このような形の利益の配当はできないことになっています。

株式会社よりも設立の費用が安い

合同会社は設立時に定款認証の手続きを受ける必要がない他、設立登記の費用(登録免許税)が株式会社に比べて安いなどのメリットがあります。

総額で見ると株式会社の設立費用が20万円程度なのに比べて、合同会社の場合は10万円以内で設立できる場合が多いです。

合同会社を設立するデメリット

合同会社を設立するデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

役員の肩書きの問題

株式会社の場合には組織を代表する役員の肩書きは「代表取締役」となるのが一般的ですが、合同会社の場合にはこの名称を用いることができません。

合同会社の場合には「代表役員」という名称になります。

合同会社の仕組みに詳しくない人が見た場合には「どういう役割の人なのかな?」と思われてしまうケースもあるかもしれません。

せっかく会社を設立したのに個人事業主の延長のように見られてしまうこともありますから、会社の対外的な信頼性を重要視したい場合には注意が必要です。

良くも悪くもオーナー企業とみられる

合同会社は、良くも悪くも会社のオーナー(出資者)と会社とが一体化している企業と言えます。

新規の取引先や金融機関からの審査を受けるときにはこの点がネックになる可能性もゼロではないでしょう。

ただし、株式会社であっても社長が一人で運営しているオーナー企業は珍しくありませんから、程度問題と言えるかもしれません。

経営者どうしの意見対立があると深刻な事態になりやすい

合同会社は組織運営のルールを定款で定めることによって柔軟に決めることができます。

この点は複数の経営者同士の意思疎通がうまくいっているときには経営の意思決定スピードを早めることにつながります。

しかし、逆に経営者同士の仲が悪く、ことあるごとに意見が対立してしまっている…という状況の時には、会社の運営そのものが難しくなってしまう可能性もあります。

意見が食い違った時にはいずれかの意見が優先される、あるいは複数の役員の多数決によって決めるというように、あらかじめ意見が割れてしまった時の対策を考えておくことが大切になります。

金融機関からの信頼性の問題

合同会社は2006年から始まった新しい法人の種類ですから、金融機関からの審査を受ける時には、良くも悪くも(事業を初めてまだ10年前後の新しい会社なんだな)というイメージを持たれることになります。

長年にわたって組織の運営を行っているということは会社の信用力を判断するための一つの要因となりますから、この点は合同会社を選択した場合には不利に働く可能性があります。

ただし、世界的に有名な企業(例えばアップルジャパンなど)であっても合同会社の形態を選択している場合もありますから、こちらも程度問題ということができます。

参考
合同会社設立は超かんたん!?麻雀しながらあっさり設立できる合同会社とその手続とは?
>>合同会社設立は超かんたん!麻雀しながらあっさり設立できる合同会社とその手続とは?