東京会社設立・起業情報

間違いだらけのスタートアップ・ファイナンスにならないために必要な知識

中小企業庁が2010年12月に起業に関する実態調査で、起業家に「起業前と起業後において直面した課題は?」という調査を行ったところ、
起業前でもっとも多くあげられたのが「資金調達(54.9%)」でした。
そして、起業後も「質の高い人材の確保(55.7%)」についで、2番目に「資金調達(39.8%)」が課題にあげられています(%は複数回答による比率です)。

起業家にとって、資金を提供してくれる投資家はじつに有難い存在。
そのため起業家は、資金を提供する投資家の条件をよく吟味しないで、そのまま資金提供を受け入れることがほとんどです。

しかし、それで問題は残らないのでしょうか?そこに何のリスクも生じないのでしょうか?
将来的に予測されるリスクについて考えてみます。

間違いだらけのスタートアップ・ファイナンスにならないために必要な知識

起業後に生じる3つの資金需要タイプ

起業後の資金需要のタイプは、大きく3つに分けることができます。

1.売上の立ち上がりが遅く、ある時点から急速に立ち上がるタイプ

このタイプは初期の段階での収入が少なく費用だけが発生、キャッシュフローのマイナスが比較的大きく、かつ長く続きます。

このタイプは、キャッシュフローのマイナスが「どれくらい大きいか」や「どれくらい続くか」にもよりますが、
ベンチャーキャピタルによるファイナンスが適しています。
ベンチャーキャピタルによる投資は原則として返済不要の資金なので、キャッシュフローがマイナスになり負担がかかりません。

逆に、返済の必要のある銀行からの借入金は、返済金に加えて金利の負担がかかるため、キャッシュフローをさらに悪化させます。

最初からある程度の大きな金額を一気に調達することで、資金がショートするたびにファイナンスする手間が省けるのもメリットです。

2.起業後すぐに売上が上がり、じわじわ伸びていくタイプ

早い段階から利益が生じるので、キャッシュフローのマイナスがそれほど大きくなりません。

このタイプが期待できるビジネスモデルは一気にファイナンスせず、
成長のスピードに合わせて不足分を調達することで有利な資金繰りが可能です。
資金が必要になったら、そのたびに金融機関から必要額を借り入れるといいでしょう。

3.得意先企業からの請負などで事業を行うタイプ

コンスタントに請負事業が得られる場合は2のタイプに近いと言えますが、不安定だとハイリスクなビジネスモデルになります。
あらかじめ、しっかりした事業計画を練り、最悪の状況に陥っても大丈夫なように資金を調達できるようにしておくことが大事です。

請負事業は、受注が多くなると事業を処理するための人が必要になり、従業員が増加します。
そのため固定費が増加し、受注が急激に減ってしまったときに経営を大きく圧迫する危険があります。

このタイプは、ベンチャーキャピタルからの資金調達と金融機関からの借入の2つをうまく使い分けなければなりません
1や2のタイプよりシビアな資金計画が必要になります。

ファイナンスは大きく分けると2種類

ベンチャー企業のファイナンスは、起業後の資金需要タイプによって2つのファイナンスを使い分ける必要があります。
起業後、いつ、どのように資金需要が生じるかを前もって検討することが重要です。

1.借入によるファイナンス(デットファイナンス)

おもに金融機関などから借入れることで資金を調達する方法です。
貸借対照表のうえでは、負債の増加として表示されます。返済義務がありコストとして支払利息も発生するため、財務的には安全性が悪化。
ただし支払利息は経費として計上できるので、課税額が減少する効果があります。

起業直後から売上が見込め、それほど大きな額の運転資金が必要ない場合に利用します。

2.新株発行によるファイナンス(エクイティファイナンス)

新株を発行して資金調達する方法です。
資本の増加をもたらす資金調達方法なので、貸借対照表のうえでは資本の増加として表示されます。
原則として返済義務のない資金調達方法であり、財務体質が強化されるのが利点です。

なお、新株発行によるファイナンスは、株式発行で調達された資金が収益拡大に貢献しない場合、
1株当たりの価値の希薄化(減少)や配当政策などに影響が出る可能性があります。
そのため、実施する前に株主に対して説明を行わなければなりません。

起業後、なかなか売上が上がらなかったり、大きな設備投資が必要だったりするビジネスモデルで利用します。

新株発行によるファイナンス(エクイティファイナンス)には注意が必要

新株発行によるファイナンス(エクイティファイナンス)は、同じ金額であっても条件しだいで効果が大きく変わってきます。

投資家によって、投資先に期待する内容やベンチャー企業へのプラスα効果は異なります。
金融機関との関係は借入金を返済すれば消えますが、投資家との付き合いは長くなるのが常です。

そのため同じ金額をファイナンスしても、投資家から有益なビジネス上のアドバイスを得られるかどうか、
あるいは投資家が持っている有益なビジネスネットワークを有効に利用できるかどうかで、その価値は大きく変わります。

なぜなら、投資家によって経営ノウハウの提供や経営課題に対するアドバイス、
ほかのベンチャー企業とのビジネス的な連携をどれだけ仲介できるかなどが異なるからです。
良いアドバイスや支援を受けることができれば、成功確率やビジネスの規模拡大の可能性を大きく上げることができます。

モノ言う投資家、ベンチャー企業家と利害が反する投資家

もっとも怖いのは、投資家が何を望んでいるかです。
中には、起業が成功したら経営の主導権を取りたいと考えて経営方針に口を挟んでくる、いわゆる「モノ言う投資家」もいます。
事業にプラスになるモノ言いであれば問題ありませんが、必ずしもそうであるとは言い切れません。
無条件の新株発行によるファイナンス(エクイティファイナンス)を受け入れることは、そういったリスクを抱え込む可能性もあるのです。

また起業初期の段階で、特定の投資家が株式をある程度独占していると、
次回のファイナンス時にベンチャーキャピタルを含めた新株発行によるファイナンス(エクイティファイナンス)が敬遠されてしまいます。
結果として、適切なファイナンスを受けられなくなるリスクが発生するわけです。

悪質な投資家のやり方

多くのベンチャー企業が「直面する課題」に資金調達をあげていましたが、
そういった企業には資金を提供してくれる投資家がみな良い人に見えるものです。

しかし、ベンチャー起業家たちに甘い言葉をささやきながら資金を提供し、
事業化が成功すると用ずみになった起業家を追い出し事業を乗っ取る投資家がいないとも限りません。

また、起業までに至らない前段階で、自分たちのアイディアや技術、ノウハウなどを盗まれてしまう可能性もあります。

まとめ

必要となる資金の性質を見極めて、目的にあったファイナンスを行うことが大切です。
また、新株発行によるファイナンス(エクイティファイナンス)では、同じ金額を調達しても、投資家によってその価値がちがうことを忘れずに。
なかには悪意のある投資家も存在するので、資金不足に陥っていても注意深くファイナンスを行いましょう。

参考

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