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失敗しない!?会社設立のルール1「資本金の額」
Aさんは10年近く勤めた会社を先月末に退職し、ついに念願の会社設立へと踏み出しました。
業務内容はHPの作成。
システム作成やウェブデザインからSEOなどのコンサルティングまでをワンストップで提供することがウリです。
そのために優秀なメンバーも揃っています。
給料は高くなりますが、すべてを社内で完結させるためには必要なことと割り切っています。
その分機材等の初期投資を抑え、運転資金もあまりかからないように自宅の一室を事務所として使う予定です。
そして経費節減のため会社設立も自力で頑張ることにしました。
会社名や本店所在地、事業目的等を決めていくと徐々に自分の会社ができる実感が湧いてきます。
さて次は会社設立時の資本金の額。
Aさんはふと考え込みます。
Aさん:「資本金か~。新会社法になっていくらでも良くなったんだよな~。よし、じゃあドンと1000万にしよう!資本金が1000万と言えば大きな会社のイメージを持ってもらえそうだしな」
意気揚々と資本金を決めたAさん。
しかしこの決定が1年後にAさんを後悔させることになるのです。
時間は流れ1年後、Aさんの会社も無事第1期の決算を迎えました。 第1期は売上高こそ5000万円ほど上がりましたが、予想以上に厳しい業界の状況により少し赤字のフィニッシュです。 しかし、人件費以外は徹底的な経費削減を行ったので、Aさんとしてはそれなりに満足のいく第1期の数字です。 そして何より赤字なので税金はほとんど出ないはず・・・でした。Aさん:「第1期は残念ながら赤字ですね。でも良い勉強ができましたので第2期はいけますよ」
会計事務所:「それは何よりです。あとは税金を支払えば第1期は終わりですね」
Aさん:「と言っても赤字なので、ほとんど0でしょう?」
会計事務所:「いえ!第1期の税額は200万円になりますよ」
Aさん:「に、200万円!!どういうことですか??だって今年は赤字ですよ!」
会計事務所:「ええ、そうですね。確かに法人税はかかってません。この200万円は消費税ですよ」
Aさん:「え!でも会社設立して2年間は消費税はかからないんじゃ?」
会計事務所:「それは資本金が1000万円未満の会社の場合だけですよ。Aさんの会社は資本金が1000万ですよね。であれば、消費税がかかってくるんです」
Aさん:「そんな・・。知らなかった・・。」
安易に決めてしまった資本金の額。
その結果、Aさんは支払わなくてよかったはずの消費税を負担することになりました。
消費税は新設法人の場合、2年間の免税が認められています。
ただしこれは資本金が1000万未満の会社の場合のみ。
Aさんは1000万円にしてしまったため、2年間の消費税、約400万円を損してしまったのです。
それにしてもこの話に出てくる会計事務所は、良くない事務所のようですね。 税金の額を決算終了するまで伝えないのは問題です。 概算であっても「いつ、いくらくらいの税金が出るのか」は早めに社長に伝えなければいけません。資本金が1000万円未満でも、 会社設立1年目・2年目から消費税の納税が発生するケース
スタートアップの期首から6ヶ月の期間で売上が1000万円、給与支払い額も1000万円を超えてくる会社もそう多くはありませんが、個人事業からの法人成りの場合には、超えてくる方も多くなってきます。 個人事業で、消費税の納税義務が発生するから法人成りしたのに、1期目がこの条件に該当してくると、二期目は消費税免税となりません。 顧問税理士がいない場合には、この辺りの情報を収集するのは難しく、二期目に入って消費税の申告書が送付され、なんで二期目から消費税がかかるのかと戸惑われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。会社設立時から6ヶ月間の売上も給与も1000万円を超えることが想定される場合に対応策はないのか?
はい、実はあるんですよ。 具体的には、第1期の事業年度を7か月以下にし、2期目の事業年度を12か月にしておけば、第1期の開始から6か月の売上と給与支給額が共に1000万円を超えても、最長20か月の消費税免税を受けることができます。 ※これは「短期事業年度の特例」で前事業年度が7ヶ月以下の場合には特定期間とならないからです。 参考: >>特定期間の判定、国税庁HP