【税理士が作った経営者の教科書】 税務調査編 第3回「税務調査 一問一答(2)」

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【税理士が作った経営者の教科書】 税務調査編 第3回「税務調査 一問一答(2)」

前回から税務調査の一問一答についてお伝えしてきました。

今回は後編です。

前の調査では通ったのに今回否認された!

税務調査は通常3年~7年に一度、定期的にあるものです。

設立してから10期にもなると、2回、3回と税務調査が来ているということも珍しくありません。

ただし、税務調査はその都度別の調査官が調べにきます。

すると、前回の税務調査では指摘されなかった内容が、次の税務調査では指摘を受けるということも出てくるのです。

こういった場合はどうすればよいのでしょうか?

こういった場合、残念ながら「前回は指摘がなかった」という理論は通らないのです。

一度はOKが出ていたのに、後から否認というのは常識的な感覚ではありえないことですが、税金の世界では通ってしまうのです。

これは税金の世界の特殊性に原因があります。

税金の世界は「グレーゾーン」という領域が非常に広いのです。

つまり解釈次第で「クロ」にもなるし「シロ」にもなるということです。

調査官の主張が勝てば「クロ」、税理士の主張が勝てば「シロ」。

そんな問題が日常茶飯事なのです。

とは言っても、前回の調査の結果は「武器」にはなります。

ベンチャーサポートは過去の税務調査の履歴を社内にしっかり保存していますので、この切り口から税務署と戦っていきます!

ちなみにグレーゾーンについての対策は「ドキュメントの整備」が有効です。

税務署は否認するためには否認を立証しなければいけません。

逆にいうと会社側では否認されない理由を立証しなければいけないのです。

このときに大きな助けになるのが「ドキュメント」、つまり「文書で残しておく」ということです。

たとえば高額なブランド品を贈答品として得意先に送る必要があったとき、そのままだと税務署は「プライベートな買い物を経費にしているのでは?」と疑ってきます。

ですが、相手先の名前や日時、贈答品の送り状などがあれば「証拠」になります。

税務署に疑われるかな、と思ったときは何かしらの証拠を残しておくことにしましょう。

個人の通帳も見せて欲しいと言われた!

法人の税務調査で社長や役員の個人の資産も調べられることがあるのでしょうか?

実は個人の通帳を調べられることはよくあります。

それどころか最近の税務調査では事前に個人の通帳を銀行に照会して、持ってくることもあります。

「これってプライバシーの侵害では?」と思われるかもしれません。

税務署が持っている「質問検査権」という権力は非常に強力なものなのです。

銀行といえども税務署からの要求があれば、預金者の承諾なしで通帳を開示するのです。

ただし税務署の職員は守秘義務があります。

業務上で知りえた情報を外に漏らしたり、自分のために使ったりはしないということです。

結局見せないという理由が付けられないのです。

調査官から個人の通帳の開示を求められたときは堂々と公開するのが良いでしょう。

逆に見せないと怪しまれるだけです。

素直に開示して心証を良くしていくことが得策です。

パソコンや机の中まで見たいと言われた!

税務調査では社長のパソコンや机の中も調査したいと言われることがあります。

机の中やパソコンの中は秘密の宝庫。

税務署はこの中に「利益調整」の証拠がないか疑っているのです。

無理に利益を減らすと必ず矛盾が出ます。

たとえば在庫金額を減らしたりすると、例年よりも粗利益率が下がってしまい不自然さが出るのです。

そういった「やってはいけない処理」をした場合、社長は本来の数字がわからなくならないように、メモや資料を残してしまうことが多いのです。

「本当の在庫金額」がわからないと社長自身が混乱してしまいますので、「本当の在庫表」を作ったりするということです。

いわゆる「裏帳簿」ですね。

こういった証拠は社長のパソコンや机の中に隠されていることが多いのです。

ただし調べると言っても、税務調査官が直接机の中やパソコンを調べることはしません。

社長の後ろに立って、あくまで社長に操作をしてもらうのです。

こういった場所は任意の税務調査であれば拒否することも不可能ではありませんが、「見せられないものがある」と調査官が疑ってかかることにつながりかねません。

基本的には開示して身の潔白を示すほうが良いでしょう。

逆に言うと、税務調査のときに机の中やパソコンが見られても困らないように、税務調査前には整理しておくことをお勧めします。

取引先まで調査に行かれた!

税務調査では自社と取引がある取引先まで調査をされることがあります。

これを「反面調査」と言います。

たとえば自社で「外注費」として計上している経費が、取引先で同じ金額できちんと計上されているかどうか、などを調査するのです。

商売は当然「買う側」と「売る側」で同じ金額の処理がなされるはずです。

ですので、万が一自社で経費の金額を水増ししても、先方を調べれば金額が正しいかどうか一発でわかるのです。

これが矛盾しているということは脱税をしているということ。

この調査で嘘がばれてしまうのです。

反面調査は調査官が必要と判断すれば行われます。

具体的には調査官が直接得意先に調査に行くこともあれば、文書で調査することもあります。

得意先に税務署が調査に行くというのは、なんとなく得意先に迷惑を掛けるようで嫌ですよね。

税務調査に詳しくない得意先の方であれば、「何か悪いことでもしているのではないか?」と疑われることもありえるかもしれません。

得意先に対する信用を損なう危険性もありますので、できることなら避けたいものです。

しかし、残念ながら反面調査は受けざるを得ないのです。

反面調査の必要性については、過去に何度か税務裁判が行われています。

反面調査は過去の判例でも「正当性」が認められていますので、拒否することはできません。

得意先には事情を説明して納得していただいておくようにしてください。

税務調査のせいで信用にキズがついたら、踏んだり蹴ったりですね。

税務署に文句を言っても何もしてくれませんので、事前にしっかり対策をしておいてください。

追徴された税金が高額で支払えない!

税務調査で残念ながら追徴金が出てしまった場合は、税務署の指摘事項について修正申告書を提出し追徴金を支払うことになります。

税務調査は通常3~5年分が対象です。

ということは数年前の税金の追徴を受けると、今現在資金が減っていて追徴金を支払うのが難しくなっている可能性もあります。

こういった場合どうすれば良いのでしょうか?

こういった場合、税務署に相談に行くと分割払いでの納付に変更してもらえます。

ただし税金を減らしてくれるわけではありません。

あくまで待ってもらえるだけです。

さらに分割払いにすると「延滞税」という利息のような税金が別途かかります。

利息は年利14.6%!(修正申告書を提出した日から2ヶ月は約4%です)

すごい高金利です。

そういったことを考えると安易に分割払いを選択するのはお勧めできません。

どうしてもお金がない場合の最終手段とお考えください。

さて今回は税務調査の現場で起きるトラブルについて見てきました。

これで税務調査も怖くないですね。

ではまた!

 

目次

【税理士が作った経営者の教科書】シリーズ。経営者が知るべき経理・会計・税金・労務・節税・税務調査など、経営者が知っておくべき知識を顧問先8000社を持つベンチャーサポート税理士法人の税理士が分かりやすく解説します。

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