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最終更新日:2022/11/10

「インボイス制度(適格請求書発行制度)」とは?|令和5年10月スタート|インボイス制度マニュアルVOL1

税理士 鳥川拓哉

この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

【令和5年10月スタート】「インボイス制度(適格請求書発行制度)」とは?|インボイス制度マニュアルVOL1|インボイス制度をかんたん解説!

この記事でわかること

  • インボイス制度とはどのような制度であるかを知ることができる
  • インボイス制度のねらいや導入後の変化について知ることができる
  • インボイス制度の導入にあたってすべき準備を知ることができる

令和5年10月1日からインボイス制度が導入されることが決定しています。

少し先の話のようにも思えますが、インボイス制度導入のための準備期間にすぐに入ってしまうため、ゆっくりはしていられません。

はたして、インボイス制度とはどのような制度なのでしょうか。

また、インボイス制度が始まるにあたって、事業者としてどのような準備をしなければならないのでしょうか。

インボイス制度「適格請求書発行制度」とは?

インボイス制度とは、インボイスと呼ばれる書類を使って、消費税率や消費税額を相手方に正確に伝える制度のことです。

インボイスは、消費税法上は「適格請求書」と呼ばれ、これまで使用されてきた請求書とは記載内容が変更となります。

インボイス制度導入の目的は大きく2つに分けて説明することができます。

消費税額を正しく把握し取引の透明性を高める

令和元年10月から消費税率が10%に引き上げられると同時に、8%の軽減税率が導入されています。

この複数税率の導入にともない、購入した商品が消費税率10%か消費税率8%かを正確に把握しなければならなくなりました。

しかし、これまでの請求書やレシートではわかりにくい場合があり、消費税の経理処理が煩雑になっていました。

そこで、より正確に消費税率や消費税額を伝えられる制度として導入されるのが、インボイス制度なのです。

インボイスにより消費税額などを正しく伝えれば、商品を購入した事業者は正確な消費税額を知ることができます。

また、8%と10%のいずれの消費税率が適用されているのかも明らかになり、適用されている税率が正しいか確認できるのです。

消費税に関する不正を防ぐ

消費税の税率が複数となったことにより、中には不正を行う事業者が現われる可能性があります。

しかし、インボイス制度の下では、相手方にインボイスを交付しなければならないため、そのような不正を防ぐことができます

たとえば、商品を販売した事業者が10%となるはずの消費税率を8%にごまかすことを防ぐことができます。

また、インボイスを受け取った事業者が適用する税率をごまかす不正をしても、すぐに明らかになります。

さらに、消費税率や消費税額が明確になるため、受け取った事業者は消費税の計算をする際のミスを減らすことができるのです。

インボイス制度導入の狙い

インボイス制度が導入された目的は何となく理解できたという人が多いのではないでしょうか。

しかし、実際に消費税の計算を行ううえで、どのような計算が行われているのかがわからないと、理解しにくいかもしれません。

そこで、消費税の計算方法の原則的な考え方について、ここでご紹介しておきます。

預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納付する

消費税を負担しているのは、消費者の人たちです。

消費者が商品を購入し、あるいはサービスの提供を受ける際に支払った消費税は、事業者が消費者から預かっています。

ただ、消費者に商品を販売した事業者も、その商品を仕入れる際には別の事業者に消費税を支払っています。

そのため、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて、差額の消費税を税務署に納付することとされているのです。

たとえば小売店Aが、卸売業者Bから税抜1,000円で仕入れた商品を、税抜2,000円で消費者に販売しているとします。

消費税率10%が適用される商品である場合、仕入時に支払った消費税額は100円、販売時に預かった消費税額は200円となります。

そのため、預かった消費税200円-支払った消費税100円=差額100円の消費税を税務署に納付するのです。

この時、預かった消費税から差し引かれる支払った消費税額のことを、仕入税額控除と言います。

仕入税額控除の計算方法は複雑

事業者にとって、預かった消費税額を集計することはそれほど難しいことではありません。

食品など一部の軽減税率対象商品を取り扱う事業者でなければ、売上高を集計することで計算することができます。

一方、仕入税額控除の金額を計算するのは非常に複雑です。

事業者が支払う費用には、消費税がかかるものとかからないものとがあるためです。

また、消費税のかかるものの中には、8%の軽減税率で計算されるものと、10%の税率で計算されるものがあるためです。

1年間に支払ったすべての消費税をこの区分ごとに集計し、仕入税額控除の金額を計算しなければなりません。

領収書や請求書に記載された情報だけで、消費税が非課税なのか、あるいは消費税率は8%か10%かを判断しなければなりません。

しかし、すべての情報を間違いなく集計するのは、非常に手間のかかる大変な作業なのです。

そこで、インボイス制度が導入されることとなりました。

インボイス制度が始まり導入される適格請求書には、消費税率と消費税額が明記されることとなります。

そのため、事業者は1年間に支払った消費税額を税率ごとに集計し、その消費税額を仕入税額控除の額とするのです。

免税事業者(売上1,000万以下の事業者)からの仕入れはどうかわる?


インボイス制度が始まると、仕入税額控除の対象となる金額は、すべて適格請求書に記載されていることとなります。

そこで問題となるのは、消費税を納税していない免税事業者から仕入れた場合、仕入税額控除ができるのかということです。

免税事業者に対する支払いは仕入税額控除できない

インボイス制度になる前は、免税事業者からの仕入れであっても、その支払いの内容に応じて仕入税額控除の計算をすることができます。

しかし、インボイス制度が始まると、免税事業者から仕入れを行っても、免税事業者から適格請求書を受け取ることはできません。

それは、免税事業者は消費税を納税していないため、適格請求書を発行できる適格請求書発行事業者となることができないためです。

そのため、免税事業者に支払った消費税額については、納税する消費税額を計算する際、仕入税額控除を行うことはできないのです。

免税事業者となる事業者とは

免税事業者となる事業者は、2年前(基準期間といいます)の課税売上高が1,000万円以下の事業者です。

インボイス制度が始まると、免税事業者から仕入れを行い、あるいは費用を支払っても消費税の仕入税額控除ができなくなります。

免税事業者のままでは、登録事業者となり適格請求書を発行することはできません。

消費税を納税しなくても済むのであるのであれば、その事業者自身が困ることはないかもしれません。

しかし、取引先からの要請により、適格請求書を発行する必要に迫られる可能性もあります

取引先が仕入税額控除を適用するために、適格請求書を発行してほしいと要請することが考えられるためです。

そこで、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、課税事業者となることを選択することができます。

税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となることで適格請求書を発行することができるようになります。

この場合、取引の相手方もこの事業者に対して支払った消費税額を、仕入税額控除の金額に含めることができるのです。

いつから始まる?準備について

インボイス制度は、令和5年10月1日から導入されることが決まっています。

ただ、インボイス制度を導入するまでには準備期間が設けられています

それは、事業者が適格請求書を発行できる登録事業者になるための期間です。
インボイス制度を導入するまでには準備期間

令和3年10月1日から、登録事業者になるための準備期間が始まります。

適格請求書を発行することができる登録事業者になるために必要な手続きの受付が、この日から開始されるのです。

「適格請求書発行事業者の登録申請書」を管轄の税務署に提出すると、税務署から事業者ごとに登録番号が通知されます。

法人番号を有する事業者は「T+法人番号」が登録番号となります。

それ以外の事業者については、「T+13ケタの数字」が登録番号となります。

インボイス制度開始の日から適格請求書を発行できるようにするためには、令和5年3月31日までに手続きしなければなりません。

そのため、令和3年10月1日~令和5年3月31日の1年半の間に登録申請書を税務署に提出する必要があるのです。

買手側がやるべき事

商品を購入したりサービスの提供を受けたりした買手側は、帳簿と売り手から交付された書類を保存する必要があります

作成する帳簿には、課税仕入れの相手方の氏名・名称や取引年月日、取引の内容、対価の額を明記しなければなりません。

また、売り手から交付される書類には、適格請求書のほか、相手方の確認を受けた仕入明細書などが含まれます。

また、請求書などの書類の交付を受けることが困難な場合などは、帳簿のみ作成して保存しておくこととされています。

売手側がやるべき事

商品を販売しサービスの提供を行った売り手側の事業者は、買手事業者の求めに応じて、適格請求書を交付しなければなりません

また、交付した適格請求書の写しを保存しなければなりません

適格請求書には、売手事業者の氏名・名称と登録番号、取引年月日、取引内容、対価の額と税率、消費税額等を記載します。

ただし、事業内容によっては適格請求書を交付することが難しい場合があります。

このような事業者については、適格請求書を買手に交付する義務が免除されることとなります。

まとめ

インボイス制度が始まると、買手側の事業者として仕入税額控除の計算を行うためには、適格請求書の交付を受けなければなりません。

一方、売手側の事業者は、適格請求書を発行できる事業者になるための申請書を提出しなければなりません。

この申請書は、登録事業者になろうとするすべての事業者が提出しなければならないものです。

インボイス導入当初から登録事業者になるためには、遅くとも令和5年3月31日までに申請しなければなりません。

忘れずに手続きをするようにしましょう。

インボイス制度マニュアル

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