【平成28年分版】 自分でできる個人事業主のための所得税確定申告パーフェクトガイド

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【平成28年分版】 自分でできる個人事業主のための所得税確定申告パーフェクトガイド

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確定申告の時期になりますと、本屋さんでは「確定申告書の書き方」という本が溢れてますね。私はこういった本を見ていつも思うことがあります。

「あー、もったいない」

何が「もったいない」かといいますと、確定申告の時期にこの本を読んでいる個人事業主の大半は、税金を払いすぎる運命にあるのです。

このパーフェクトガイドでは、確定申告書の手順について細かく説明させていただくことはもちろん、個人事業主の方が賢く節税を行って、税金を安くする確定申告書の作成の仕方までを記述させていただきます。

→平成28年分所得税確定申告の改正点について

目次

1.節税を知って賢い節税をしよう!

2.「確定申告って何?」
【1】確定申告って何?【2】確定申告が必要な人は?【3】青色申告と白色申告【4】個人事業主が使う確定申告書の種類【5】確定申告の提出期限は?【6】どの用紙を使うの?【7】税金はどうやって支払うの?【8】申告書はどのように提出するの?【9】確定申告書を提出後に、間違ったことに気づいたときは?【10】確定申告書の控えは今後使うの?【11】還付申告を忘れてたときは・・

3.「確定申告書の作り方」
【1】「作成の流れ」【2】「売上や各経費を集計しましょう」【3】「経費の集計範囲・方法」を知る【4】「事業用と家事用の按分」が重要【5】「争うことのできない「クロ」の経費」【6】「具体的な各経費、各科目の集計の仕方」(1)仕入(2)給料賃金・外注工賃(3)減価償却費・減価償却のイメージ(定額法)
・耐用年数
・計算の仕方
・減価償却の対象となる資産
・中古の減価償却
・事業用兼プライベートの減価償却
・定率法
(4)貸倒損失(5)地代家賃(6)利子割引料(7)租税公課(8)荷造運賃(9)水道光熱費(10)旅費交通費(11)通信費(12)広告宣伝費(13)交際費(14)損害保険料(15)修繕費(16)消耗品費(17)福利厚生費(18)雑費(19)その他の経費

4.「収支内訳書(白色申告)・青色申告決算書」の作成方法【1】白色申告、収支内訳書の作成方法(1)基本情報の記載方法(2)収入金額・経費の記載方法(3)専従者控除の説明(4)専従者給与の説明(5)給料賃金の内訳の記載方法(6)税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳の記載方法(7)事業専従者の氏名等の記載方法(8)売上(収入)金額の明細と仕入金額の明細の記載方法(9)減価償却の計算の記載方法(10)地代家賃の内訳の記載方法(11)利子割引料の内訳の記載方法

【2】青色申告、青色申告決算書の作成方法(1)基本情報の記載方法(2)損益計算書の記載方法(3)貸倒引当金の説明(4)専従者給与の説明(5)青色申告特別控除の説明(6)月別売上(収入)金額及び仕入の記載方法(7)給料賃金の内訳の記載方法(8)専従者給与の内訳の記載方法(9)青色申告特別控除の計算の記載方法(10)減価償却の計算の記載方法(11)利子割引料の内訳の記載方法(12)地代家賃の内訳の記載方法(13)税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳の記載方法(14)貸借対照表の記載方法(15)製造原価の計算の記載方法

5. 申告書B(1表、2表)の作成方法
【1】基本情報の記載方法【2】収入金額・所得金額の記載方法【3】所得控除の記載方法(1) 生命保険料控除(2)地震保険料控除(3)社会保険料控除(4)小規模企業共済掛金控除【4】事業専従者に関する事項

6.個人事業主の消費税
【1】消費税はいつからかかるの?【2】消費税の「原則課税「簡易課税」【3】課税仕入れにならない経費はどんなもの?

1 節税を知って賢い確定申告をしよう!

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本屋さんでは「確定申告書の書き方」、この手の本は確定申告書の作成の仕方が書かれているだけで、税金を安くする方法については一切書かれておりません。

また節税は2月や3月では間に合わないものが大半なのです。

つまり確定申告の時期に慌てて本を買っている時点では、節税ができず大きな金額の納税をすることになる可能性が非常に高いのです。

改めて個人事業主に本当に役立つ節税を集めている本を探しても、あまり出回っておりません。

また節税の仕方から確定申告書の作り方まで網羅するものとなると、まず目にしません。

ですが、節税は個人事業主すべての人の「義務」なのです。

なぜなら「節税」こそが個人事業主が生き延びるために必要な必須の知識だからです。

不景気が続いて利益を上げることが年々難しくなってきている今日、せっかく儲けた利益から税金を簡単に払いすぎだと思います。

売上を上げることには皆さん熱心に取り組まれるのに、なぜ多くの方が節税に熱心に取り組まないのか不思議で仕方がありません。
例えば、利益が500万円出た個人事業主の税率がいくらになるかご存知でしょうか?

500万円の事業所得に対しては所得税が20%、住民税が10%、事業税が5%、合計で35%の税率で課税されます。(話を簡単にするために「各種控除」や「事業主控除」を考慮せずにいっております)

事業所得が1000万円になると所得税が33%、住民税が10%、事業税が5%、なんと儲けの48%が税金なのです。

これは穴の開いたバケツで一生懸命水をすくっているようなもの。

がんばって売上を上げても結果的に手元に残るお金が少なくなってしまっては元も子もないのです。

ちなみに税務署は税金を安くする方法を絶対に教えてくれません。

税務署は、税金を取るのが仕事の役所なのです。

わざわざ税金を安くする方法を教えてくれるはずがないのです。

あと、毎年2月~3月には街中や税務署に無料相談コーナーができますが、そこでも節税を教えてくれることはありません。

毎年、そこに行っている私が言うのだから間違いないです(笑)

場合によっては、会社設立の方が税金が安くなることがありますが、無料相談コーナーには税理士がボランティアでお手伝いしているだけで、多くの相談者に対応するためにも積極的な節税をしている時間も余裕もないのです。

だからこそ、自分で勉強するか節税に強い税理士に頼むしかないのです。

もちろんベンチャーサポート税理士法人にご依頼いただいているお客様は徹底的な節税で税金を安くしていますよ(笑)

ぜひ節税を知って、お金を賢く残してください!

2「確定申告って何?」

【1】確定申告って何?

個人事業を始められた方は、「確定申告って何のこと?」って思われる方が多いです。

「確定ってどういうこと?」
「申告って何をどこに申告するの?」

きっとそんな疑問をお持ちの方もいらっしゃることと思います。

最初にこの点をしっかり確認させてください。

個人事業主にとって「確定申告」とは「1年間の税金を自分で計算して(確定して)、税務署に申告して納税すること」です。

つまり税金の計算です。

そしてこの「確定申告」は多くの場合、税金を納めることになるので、個人事業主にとっては悩みの種になるのです。

タイムスケジュール的には、毎年2月16日から3月15日までの間に前の年の1月1日から12月31日までの税金を計算して、税務署に「確定申告書」を提出し納税も済まさなければいけません。

もし期限に間に合わなくなると、延滞税や加算税という罰金が課されます。

また銀行の融資を考えるのであれば「期限後申告」はおおきなマイナス要素になります。

税金もしっかり納められない人は信用できないということなのです。

ちなみにもし確定申告そのものをしなければ銀行は確実に融資をしてくれません。

このように確定申告というのは、税金を支払うという側面がある一方、しっかりしておかないと銀行の融資が受けられないという側面もあるのです。

税金を支払うのはみんな嫌ですが、避けては通られないようになっております。

それが確定申告です。

また確定申告には「税金を納める申告」ばかりではありません。

お金が戻ってくる確定申告もあるのです。

一般に「還付申告」と言われるものです。

「税金を納める確定申告」は絶対しなければいけませんが、「還付申告」は義務ではありません。

還付申告をした人にだけ税金が戻ってくるのです。

逆に言うとしっかり還付申告をしなければ自動的にはお金が戻ってこないということです。

還付申告でお金が戻ってくるケースはいろいろありますが、代表的なものとしては次のようなものがあります。

  • 医療費が10万円超支払った場合
  • ローンを組んで住宅を新築したり、中古で購入した場合
  • 寄付をした場合
  • 年内で退職して年末調整が終わっていない場合

今回のレポートは個人事業主の方の事業所得の申告についてなので、詳しくは触れませんが税金が戻ってくるケースは数多くありますので、気になる方は税理士や税務署に確認をしてみてください。

ではこの確定申告をしなければいけないのは具体的にどのような人でしょうか?

次から見ていきたいと思います。

【2】確定申告が必要な人は?

「自分はそんなに儲かってないけど、確定申告しないといけないの?」
「個人事業の開業届けを出していないから、確定申告はしなくていいのですよね?」

こういったご質問をよくいただきます。

ですが、結論から言いますと個人事業主は儲かっているか否かにかかわらず、また開業届けを出したか否かにかかわらず、必ず確定申告が必要です。

赤字であっても確定申告は必要です。

逆に青色申告で赤字の場合なら、確定申告をすることで今年の損失と翌年以降の利益を相殺することもできるようになります。

その意味からも個人事業主は必ず確定申告をするようにしましょう。

そのほか確定申告をしなければいけないケースの代表的なものは次のようなときです。

  • 1年間の給与の金額が2000万円を超えている場合
  • 2ヶ所以上の会社から給料をもらっている場合
  • 副収入の儲けが1年間で20万円を超えている場合
  • FXで利益が出た場合

逆に確定申告が必要のない収入で代表的なものは次のようなものです。

  • 副収入の儲けが20万円以下のもの
  • 遺族年金
  • 失業保険
  • 慰謝料

確定申告が必要かどうかはかなり複雑な判断が必要になります。

自分が該当するかどうかが不明なときは税理士か税務署に相談されることをお勧めします。

【3】青色申告と白色申告

「青色申告」「白色申告」という言葉を耳にすることがあるかと思いますが、これはいったい何のことでしょうか。

「青色申告」というのは「複式簿記の方法で経理をして、必要な帳簿をしっかり保存している」ことを言います。

「青色申告」をすれば税金の計算上、たくさんのメリットがあります。

たとえば、儲けから65万円の控除をしてもらえる「青色申告特別控除」や、家族に対する給料を経費に入れられる「専従者給与」などの特典が認められています。

「しっかり経理をすれば税金を有利にしてあげます」というのが青色申告とお考えください。

青色申告をしたい人は、3月15日までに税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出して承認を得ることが条件です。

この届出をしないと自動的に白色申告になってしまいます。

ちなみになぜ「青色」というかについてですが「青空のように一点の曇りない申告をしよう」ということで青色と名づけられたと言われています。

そして以前は本当に申告書が青かったのです。(法人税の青色申告書は今でも青です)

また「白色」については実は税法の条文には「白色申告」という言葉はないのです。

便宜上「青色申告」に対して「白色申告」と呼んでいるだけなのです。

国税庁のHPにも白色申告という言葉はでてきますけどね。

「青色以外の申告」ということで白色なのです。

【4】個人事業主が使う確定申告書の種類

確定申告書と一口に言ってもいろいろな書類があります。

その中で個人事業主は、どの用紙を使うのでしょうか。

個人事業主が使う申告書は「確定申告書B 第1表」「確定申告書B 第2表」「所得税青色申告決算書(一般用)」です。

白色申告をする人は「所得税青色申告決算書(一般用)」のかわりに「所得税収支内訳書(一般用)」を使うことになります。

確定申告書は税務署に行けばもらえます。

また国税庁のHPからもダウンロードできるようになっております。

ただし税金を現金で納めるときは「納付書」に納付額を記載しなければいけませんので、税務署で確定申告書と納付書をもらうほうが良いでしょう。

【5】確定申告の提出期限は?

確定申告には期限があります。
もし期限までに確定申告書を税務署に提出しないと、罰金が課されたり、銀行の融資が不利になったりします。
そういった意味でも提出期限は非常に重要です。

ではその期限はいつまででしょうか。
確定申告書の提出期限は例年、2/16~3/15です。
3/15が土曜や日曜の場合は翌週の月曜が期限になります。
この期限内に確定申告書を税務署に提出し、税金を銀行で支払ってください。

ただし税金を返してもらう還付申告は2/16~3/15ではありません。
1/1以降いつでもできるのです。

また還付申告は忘れていても5年間以内であればすることができます。
もし還付申告を忘れていることに気づいたら「昔のことだし」と諦めずにお金を返してもらいましょう。

【6】どの用紙を使うの?

確定申告が難しいといわれる理由の一つに「用紙がたくさんあって、どれを使ったら良いのかわからない」という理由があります。
たしかに国税庁のHPを見たり、税務署へ行ったりするとたくさんの用紙が並んでいます。
初めて確定申告をする人にはどの用紙を使うのかがわからないのも当然です。
確定申告は内容に応じて提出しないといけなければならない用紙が異なります。

わかりやすく理解するためにまず次の4つに分類して考えてみましょう。

  • ①申告する所得の内容が「給与所得(サラリーマンの給料など)」「雑所得(年金や原稿料、副収入など)」「配当所得(株式の配当など)」「一時所得(保険の満期収入など)」の4つのどれかに該当する人・・・・申告書A
  • ②申告する所得が事業所得や不動産所得に該当する人・・・・申告書B
  • ③申告する所得の内容が「土地や建物の譲渡所得」「株式の譲渡所得」「先物取引の雑所得」などに該当する人・・・・申告書B+第3表(分離課税用)
  • ④損失が出た人・・・申告書B+第4表(損失申告用)

まずはこの4種類のどれに自分が該当するのかを考えてください。

また「申告書A」と「申告書B」は両方とも「第1表」「第2表」から構成されています。
申告書の右上のほうの枠外に「第1表」「第2表」と記載されているのでわかると思います。
これに加えて申告する内容に応じて必要な用紙が異なります。

全てを書くことができませんので主なものを例示します。

  • 個人事業主が青色申告を選択している場合で利益が出ている場合・・・申告書B+青色申告決算書(一般用)
  • 個人事業主が青色申告を選択している場合で損失が出ている場合・・・申告書B+第4表+青色申告決算書(一般用)
  • 個人事業主が白色申告を選択している場合・・・申告書B+収支内訳書(一般用)
  • 不動産所得のオーナーが青色申告を選択している場合で利益が出ている場合・・・申告書B+青色申告決算書(不動産所得用)
  • 不動産所得のオーナーが青色申告を選択している場合で損失が出ている場合・・・申告書B+第4表+青色申告決算書(不動産所得用)
  • 不動産所得のオーナーが白色申告を選択している場合・・・申告書B+収支内訳書(不動産所得用)

これらに加えて消費税が課税される人は「消費税等の確定申告書」が必要です。
さらに消費税の課税方法で「原則課税」を選択している場合は「付表2」を、「簡易課税」を選択している場合は「付表5」も添付してください。

【7】税金はどうやって支払うの?

税額を計算し、確定申告書が完成したら最後は税金の納付です。

税金の納付の仕方は2つあります。
「直接支払う方法」と「自動引き落とし」の2つです。

まずは「直接支払う方法」についてです。
直接支払う場合は「納付書」と呼ばれる用紙に自分で納税額を記載して、銀行や郵便局や税務署で支払います。
「納付書」は前年に確定申告をしている方は税務署から送られてくる封筒に同封されています。
初めて確定申告する方は税務署に直接取りに行ってください。

「納付書」に記載する事項は住所、氏名、税額、課税期間です。
税額は通常「本税」という欄と「合計額」という欄に同じ金額を記載します。
「合計額」の欄は金額の頭にマークを記載することを忘れないでください。
また「納付書」は複写になっていますので切り離さずに支払いに行ってください。
支払期限は確定申告書の提出期限と同じく3月15日(3月15日が土曜又は日曜のときは翌週の月曜)です。

「自動引き落とし」の場合は「振替納税申込書」に住所、氏名、引き落としの金融機関、口座番号などを記載し、銀行印を押して提出します。
提出は確定申告書と一緒に税務署に提出します。
引き落としは毎年だいたい4月の中ごろに行われます。

またもしどうしても期限までに支払うことができないときは、「延納の届出」を提出することで納付期限を5月31日まで待ってもらう方法もあります。
ただし「延滞税」という利息を取られます。
延納ができる金額は納付金額の1/2が上限となっています。

【8】申告書はどのように提出するの?

さて次は申告書の提出の方法です。
納付書で銀行に税金を納めたとしても、確定申告書の提出が提出期限までに忘れてしまう人がおられます。
確定申告は税金の納付を確定申告書の提出で、初めて完了ですのでご注意ください。

さて申告書の提出方法ですが、いちばんオーソドックスなのは税務署へ直接持っていって提出する方法です。
税務署へ行けばだいたいどこの税務署でも入り口の近くに係りの人がいる窓口が設置されています。
受付時間は平日(月曜から金曜)の午前8時30分から午後5時までです。
ただし税務署は住所の管轄の税務署でしか提出することができません。

また提出をするときは必ず「控え」に受領印をもらうようにしてください。
この受領印の押された確定申告の控えは重要です。
銀行で融資を受けるときや、住宅ローンを組むときに提出を求められますので、なくさずに保存しておくようにしましょう!

税務署へ行く時間が無い方は郵送でも提出することができます。
郵便の場合は「通信日付印」が押されている日付で提出した日とみなされます。
申告書の控えを郵送で返却してもらうためには、切手を張って住所を記載した返信用封筒を同封しなければいけません。

インターネットで申告書を提出する方法もあります。
「e-Tax」と呼ばれる方法です。
この場合は事前に申し込みが必要です。
住民基本台帳カードを用意して、ICカードリーダーを購入し、国税庁のHPから申し込むようにしてください。

【9】確定申告書を提出後に、間違ったことに気づいたときは?

確定申告書の作成は慣れない方には難しいものです。
ですのでうっかり間違ってしまうこともありえると思います。
提出前なら良いですが、
提出後に間違いに気づいてしまったときはどうすれば良いのでしょうか?

申告期限内であれば、もう一度正しいものを再提出します。
そうすれば後の日付のものが「正しいもの」として処理されます。

申告期限後に気づいてしまったときは、納める税金が不足しているときは「修正申告」、納めた税金が多すぎたときは「更正の請求」をします。

納める税金が不足しているときは日数に応じて「延滞税」という罰金を取られます。
間違いに気づいたときは少しでも早く修正申告をするようにしましょう。

また更正の請求は、法定申告期限から1年以内であれば行うことができます。
1年を超えると通常の更正の請求ではお金を返してもらえなくなりますので、こちらも早めに行うことをお勧めします。

【10】確定申告書の控えは今後使うの?

確定申告書を提出する際に「控え」も作成してください。
この「控え」に税務署は受領印を押して返してくれます。

確定申告書そのものは提出すると返却されませんので、「控え」がなくなると手元に確定申告書が残らないのです。
確定申告書の控えは銀行から融資を受けるときや、住宅ローンを組むときなどに必要となります。
そのときには税務署のハンコが押してあるものが証明になります。

また青色申告の人は翌年の確定申告書を作成する際にも、前年の確定申告書から引き継ぐ数字があります。
減価償却の未償却残高や貸借対照表の数字です。
この数字が前年の確定申告書から変わっていることはありえませんので、作成そのものが間違いということになります。

このように確定申告書の控えは使うことが多くありますので、なくさず保存するようにしてください。

郵送で確定申告書を提出する方は、返信用封筒を同封して控えを返してもらうようにしましょう。
返信用封筒には宛名を記載し、切手を貼っておくことを忘れないようにしてください。

【11】還付申告を忘れてたときは・・

確定申告は税金を納めるだけではありません。

ときには確定申告でお金が戻ることもあります。

たとえば、住宅ローンを組んで自宅を購入したときや病院に通院して年間10万円を超える医療費を支払った人などです。

ですが、自動的にお金が戻ってくることはありません。

あくまで「確定申告」が必要なのです。

「今までそんな制度があることを知らなかったから、還付申告をしてなかった」という方、あきらめるのは早いですよ。

納税の伴う確定申告は毎年2月16日~3月15日と期限が決まっておりますが、還付の申告は5年以内であればOKなのです。

還付申告忘れていた人は「昔のものだし・・」とあきらめないで、お金を取り戻しましょう!

3「確定申告書の作り方」

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【1】「作成の流れ」

まず個人事業主の人が確定申告をするまでの大きな流れを簡単に説明すると次のようになります。

  • ①1月1日から12月31日までの売上高や各経費の合計額を集計する。
  • ②白色申告の人は「収支内訳書」、青色申告の人は「青色申告決算書」を作成する。
  • ③確定申告書の第1表、第2表を作成する。

この3つの中で最も重要な作業は①の売上や経費の集計です。

なぜなら①が間違ってしまうといくら②や③を正しく行っても税金が間違ってくるからです。

また税務調査でも①が正しいかどうかを調べられます。

そして一番重要な①であるにもかかわらず、税務署の無料相談会ではほとんど教えてもらえません。(②や③については税務署の無料相談会でも教えてもらえます)

また市販の「確定申告書の作り方」という本では①について少ししか触れず、②や③について詳しく解説されているものがほとんどなのです。

これは非常に危険です。

ただしくマジメに確定申告をしたつもりが、実は税法上間違いだらけだった。

こんなことになりかねません。

また税務署はいくらマジメに申告をした、と言っても間違いがあれば容赦なく追徴してきます。

一番重要なのは売上と経費の集計。

なのでこのレポートでは①の部分を詳しくお伝えしていきます。

このことを念頭に置いて読んでいってください。

では今から一つ一つについてじっくり見ていきましょう。

【2】「売上や各経費を集計しましょう」

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売上(収入)金額、家事消費、その他の収入

確定申告の第一歩は「正確な売上の算出」です。

売上が間違っていれば税金も当然変わってきますし、税務調査でも売上の計上が正しいか否かは必ず見られる最重要ポイントです。

売上の漏れを税務調査で指摘されると言い逃れができません。

売上計上漏れは「うっかり忘れていました」が通じないのです。

通帳に入金があるのにも関わらず計上していなかったりすると弁解の余地すらありません。

そうなると本来納めなければいけない金額に、どっさり罰金が付きます。

現金でもらった売上金、預金口座に入金された売上金、手形で回収した売上金、それらを全て漏れなく集計してください。

こういった「明らかに売上が抜けている」のは論外ですが、これ以外にも気をつけたいことがあります。

それは「売上の計上時期」です。

実際の税務調査の現場ではこの「時期ずれ」が頻繁に指摘されます。

間違いが多発することを税務署がよく知っているからです。

それでは売上はいつ計上するのが正しいのでしょうか?

入金のとき?請求書を出したとき?

いえ、違います。

「商品を引き渡したとき」です。

サービス業ならば「サービスを提供したとき」です。

たとえばこんな感じです。

  • ネット通販 → 出荷した日
  • アフィリエイターや情報起業家 → ASPの管理画面上で見た「○月分」
  • HP作成やシステム開発 → 納品した日

逆に言うと作業が完了する前に先に入金してもらう場合は「前受金」となり、その年の売上から除いて翌年以降の売上になります。

この「売上の計上時期」は本当によく間違いがありますので、自分の業種の場合、どの時点が「商品を引き渡した」又は「サービスを提供した」ことになるのかをしっかり確認してください。

売上についてはさらにあと2つ注意点があります。

「家事消費」「本業以外の収入」です。

「家事消費」とは自分が売っている商品などを自分自身で使ったり、知り合いに無料でプレゼントしたりすることです。

このような「家事消費」については、「自分への販売」つまり「家事消費による収入」として計上しなければいけないことになっているのです。

計上する金額は「仕入れをした原価」か「販売価格の70%」のいずれか大きい金額で売上を計上することになります。

自分で使ったのに売上なんて変な感じですが、漏れなく計上しなければいけません。

次に「本業以外の収入」とはなんのことでしょうか?

具体的にはこういうものを言います。

  • 作業くずを売却したお金
  • 空箱を売却したお金
  • 得意先からのリベートや紹介料
  • 従業員への貸付金の利息
  • 従業員の寮の家賃収入
  • 損害賠償金や火災保険金

作業くずなどは回収業者が現金で支払ってくれたりしますので、よく計上を忘れてしまいます。

ですが税務署は業種によってこういった作業くずの販売などがあることを知っていますので、忘れずに計上してください。

売上の集計についてまとめると

  • ①売上の計上漏れがないか(現金回収、預金回収、手形回収)
  • ②売上の計上の時期が適切か
  • ③家事消費をした売上が抜けていないか
  • ④本業以外の売上(廃材や空箱、リベートなど)が抜けていないか

こういった点に十分注意をして集計してください。

ここまでは売上や収入の集計についてでした。

では次からは経費の集計についてお伝えしていきます。

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【3】「経費の集計範囲・方法」を知る

「経費」と一言で言っても、仕入、人件費、家賃、交際費、消耗品費などその内容は多岐にわたります。

ですがそれら経費に対して持っておかなければいけない考え方は共通しています。

経費の集計全般について重要なことは「漏れなく多すぎずに集計すること」と「経費になるものだけ集計すること」の2点です。

「漏れなく多すぎずに集計する」とは

  • 1月1日~12月31日までの間に支払った金額を集計する
  • 買掛金や未払金のようにまだ支払っていないものでも、既に商品が納品されていたり、サービスの提供を受けたものは経費に含める
  • 前渡金や前払費用のように既にお金は支払っているが、まだ商品が入ってきて、サービスの提供を受けていないものは経費からはずす
  • 製造原価となる仕入や外注費は計上済みの売上に対応する金額だけを計上する

ということです。

ちょっとわかりにくいですか?

よくある間違いを例にして考えてみましょう。

HPを作成している個人事業主がこんな支払いをしました。

  • クレジットカードでパソコンを買って仕事で使い始めましたが、引き落としは年明けの1月です。
  • 12月末にグーグルへアドワーズ広告代を支払いましたが、まだ全額消費されていません。
  • 外注さんにHP作成のお手伝いをしてもらって外注費を支払いましたが、まだHPが納品できておらず売上が計上されていません。

こんなケースでは経費はどのように集計すれば良いのでしょうか?

まず「クレジットカードでパソコンを買って仕事で使い始めましたが、引き落としは年明けの1月です。」についてですが、これは既に納品が済んでいるのですが、支払いがまだというだけなので経費に入れてOKです。

2つ目の「12月末にグーグルへアドワーズ広告代を支払いましたが、まだ全額消費されていません。」というのは、お金を既に支払っているのですがまだサービスを受けていないので、経費には入れられません。

3つ目の「外注さんにHP作成のお手伝いをしてもらって外注費を支払いましたが、まだHPが納品できておらず売上が計上されていません。」というのは売上に対応していない製造原価なので経費に入れられません。

この「売上に対応する売上原価だけ経費に入れる」というのはなかなかイメージしにくいかもしれませんが、税務署からすればよくミスがあるポイントとわかっておりますので、税務調査で確実に調べてくるポイントになります。

このようにまずは「漏れなく、多すぎずに経費を集計する」ことがまずは重要です。

もう1点考えなければいけないことは「経費になるものだけ集計する」ということです。

この「経費性」と言われる視点も税務署がよく問題にする点です。

ただし税法では明確に「これは経費で、これは経費ではない」とは規定していないのです。

「売上を上げるために直接必要だったもの」が経費になります。

納税者は「経費だ」と思っても、税務署は「経費ではない」ということが頻繁にあります。

そういった意味で非常に「グレーゾーン」が大きいのです。

実際の税務調査でも来る調査官によって言うことが違うことがありますし、「経費でない」と言われても税理士が戦えば経費に認められるようなこともよくあります。

「絶対に経費と認められるシロの経費」
「絶対に認められないクロの経費」
「言い方や考え方で判断が変わるグレーの経費」

この3つに経費を色分けして考えることが必要なのですが、全部についてお伝えすることはできませんので、「税務調査でよく指摘されるクロの経費」についてここではお伝えしていきます。
(「シロの経費」については後ほど節税のパートでお伝えします)

【4】「事業用と家事用の按分」が重要

どういうことかと言いますと、たとえば自宅で事業を行っているときの家賃や電気代などは「事業用の部分」と「家事用の部分」とが混在しているはずです。

生活しながら事業もしているので当然です。

ですがこのような支払いについては全額を経費に入れることは認められていません。

事業用と家事用の床面積の割合や、その他合理的な割合で按分しなければいけないのです。

事業用と家事用に按分しないことは「クロ」であり、いくら主張しても認められることはありません。

家賃や電気代以外に按分が必要な可能性があるものとしては次のようなものがあります。

  • 事業用兼自宅の水道代
  • 事業用兼自宅のガス代
  • 事業用兼自宅の火災保険料
  • 事業用兼自宅の固定資産税
  • 事業用兼自宅の修繕費
  • 事業用兼自宅の電話代
  • 事業用兼自宅の減価償却費(減価償却費については後ほど詳しくご説明します)
  • 事業用兼プライベートの自動車のガソリン代

こういった経費は税務署も「プライベートが混じっている」ということを最初から疑って税務調査をします。

すぐばれてしまう点ですので、しっかり按分してください。

また税務調査対策としては根拠となった書類などは保存しておいてください。

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【5】争うことのできない「クロ」の経費

  • 生命保険の保険料
  • 所得税の納付額
  • 住民税の納付額
  • 源泉所得税の納付額
  • 国民健康保険料
  • 国民年金
  • 病院代

こういったものはいくら主張しても認められないので注意をしてください。

ここで一つ注意点があります。

白色申告の人が「私は白色申告なので領収書がなくても経費を計上できるのですよね?」と質問されることがあります。

これは完全な間違いです。

白色申告の人は帳簿を作る必要はないのですが、領収書がないと経費にはできません。

もし領収書がなくても経費にできるのであれば、多くの人が青色申告をやめて白色申告にしてしまって、誰も税金を払わなくてよくなりますよね。

そんなことにならないよう、白色申告であろうと青色申告であろうと、税務署は領収書があるものだけしか経費として認めないのです。

なので普段から領収書はしっかりもらって、なくさずに保存する習慣を付けることが重要です。

ちなみに領収書でなくてもレシートでも問題なく経費に落とすことができますので、領収書が難しければレシートを保存しておいてください。

ではここからは各経費について少し詳しく見ていきましょう。

【6】具体的な各経費・各科目の集計の仕方

(1)仕入

まず「仕入」についてです。

仕入れについては1年間で支払った金額だけでなく、12月末で掛け支払いのために支払っていないものも含めることができます。

ただし1点注意が必要な点があります。

また仕入れに関係して「1月1日の在庫の金額」と「12月31日の在庫の金額」も調べておきましょう。

なぜなら仕入れた金額がそのまま全額経費になるのではないからです。

経費になるの「売上に対応する売上原価」になります。

売上原価とは「今年に売れた売上に対応する仕入の原価」の金額です。

具体的には「1月1日の在庫の金額」に「年中で支払った仕入の金額(掛を含む)」を足して「12月31日の在庫の金額」を引くことで求まります。

この仕組み、わかりますでしょうか?

実際のモノをイメージするとわかると思います。

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今年に売れたものの原価とは「1月1日に在庫として手元にあったもの」か「年内で仕入れたもの」のはずですよね。

そして12月31日に売れ残っている商品もあるはずですので、その金額は引かなくてはいけません。

この「1月1日の在庫金額」「仕入の金額」「12月31日の在庫金額」を確定申告書にはどう書くかについては、後ほどご紹介します。

今のところはまず売上原価がいくらになるかを集計してください。

(2)給料賃金・外注工賃

次は「給料賃金」「外注工賃」についてです。

ここで重要な点は「給料賃金」になるのか「外注工賃」になるのかです。

もっと平たく言えば「従業員」と「外注さん」の違いは何なのか、です。

なぜこの区別が重要かと言いますと、この2種類のどちらになるかで税務上の処理が大きく異なるからです。

外注工賃になると消費税を8%乗せて支払っていると考えます。

ところが給料賃金はご存知のとおり消費税がかからない経費です。

この違いは納める消費税に表れます。

納める消費税は売上に係ってくる「預かっている消費税」から、経費に係ってくる「支払った消費税」を引いた金額になります。

ということは、「給料賃金」ではなく「外注工賃」になると納める消費税が減るのです。

だからといって、人への支払いを全て外注工賃にすることはできません。

ケースバイケースですが一般的に外注工賃となる条件とは次のようなものです。

  • 指揮命令系統が会社にはない。つまり品質や納期さえ守れば、どのような方法で仕事を進めてもよいのが外注。(細かな指示が必要な場合などは進め方について指示することも可能)
  • 請求書がある。外注さんは社外の人なので当然請求書のやり取りがあるはず。
  • 会社で仕事のための備品等を支給しない。つまり会社にデスクがあったり、パソコンが与えられたりするのは社員であって、外注ではない。
  • タイムカードがない。時間で縛るには社員であって、外注はあくまで業務そのものを依頼する。請求書にも「時給」等の記載があってはいけない。
  • 通勤手当がない。職場で仕事をするのは社員であって、外注は通勤をする必要が無いため。

こういった要件を満たしていないと外注工賃にはできませんので、注意してください!

(3)減価償却費

次は「減価償却費」についてです。

最初に言っておきますね。

はっきり言って「減価償却」は難しいです。

これからできるかぎりわかりやすく説明させてもらいますが、もしわからないときは、税務署に相談をする方が早くて正確かもしれません。

減価償却につまずいてしまって、確定申告書の作成を諦めたりはしないでください!

減価償却は筋道を立ててご説明させていただきます。

  • ①減価償却のイメージ(定額法)
  • ②耐用年数
  • ③計算の仕方
  • ④減価償却の対象となる資産
  • ⑤中古の減価償却
  • ⑥事業用兼プライベートの減価償却
  • ⑦定率法

これだけのことを知らないと減価償却の計算は正しく計算できないのです。

正直言ってハードルが高いです。

この商材をお読みの方が会計の専門家になりたいのならば、当然全部知っておかなければいけません。

ですが、年に一度の確定申告を正しく計算することが目的ならば税務署に電話で質問して聞くほうが正確で早いです。

そんな逃げ道も用意しながら、では説明始めます!

①減価償却のイメージ(定額法)
まず、減価償却費ってどういった経費かイメージがつきますか?

イメージがつく方はきっと会計の勉強をされた方ですね。

普段の生活の中では耳にしません。

「減価償却費を払った」なんて会話は絶対ありえないです。

まずは「減価償却費って何か」からご説明いたします。

「減価償却費」はイメージで理解するのが一番わかりやすいです。

たとえば事業用に200万円の車を買ったとしましょう。

車は通常1年間ではなく、数年間乗りますよね。

仮に4年間車を使ったとすると、この車は4年間の利益に貢献したということです。

会計の世界では「費用」と「収益」は期間対応させるのが原則です。

となれば200万円は1年目に全額経費に落とすのではなく、4年間にわたって経費に落とさないと「費用」と「収益」の期間が対応しないことになります。

そこで200万円を4年間に均等に配分して、各年度で50万円ずつ経費に落とそうということになります。(下図参照)

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これが「減価償却」の考え方です。

どうですか?

イメージはつきましたでしょうか?

この方法は減価償却の計算方法のなかでも「定額法」と呼ばれるものです。

他にも「定率法」という計算方法もあるのですが、こちらについては後ほどご説明させてもらいますね。

②耐用年数
イメージがついたところで、次に問題となってくるのが、「何年間で償却するか」ということです。

これは税法で細かく決まっています。

正直、細かすぎて全部は書ききれません。

そこでよく使う耐用年数だけまとめておきます。

ここに無い資産をお持ちの方は税務署に直接確認してみてください。

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耐用年数は法律で決まっている「何年間使えるとするか」の基準です。

ですので、たとえば「パソコンは4年も使わないからもっと短くしよう」というのは原則認められないのです。(特別な方法がありますが、相当イレギュラーなのでここでは割愛させてもらいます)

現実に使える期間は法定耐用年数より短いかもしれませんが、ここは諦めてください。

③計算の仕方
次は実際の計算方法です。

定額法の計算方法は「いつ取得したか」で2パターンあります。

  • ア.平成19年4月1日以降に取得した資産で定額法を採用しているケース
  • イ.平成19年3月31日以前に取得した資産で定額法を採用しているケース
  • ウ.平成19年4月1日以降に取得した資産で定率法を採用しているケース
  • エ.平成19年3月31日以前に取得した資産で定率法を採用しているケース

この4パターンで計算方法が異なります。

・・・、難しいですね、ほんと。

さて、定率法については後ほど説明しますので、まずは定額法の計算方法について説明させてもらいます。

「ア」 と「イ」のパターンです。

「ア」と「イ」の違いは「いつ取得したか」という時期の差です。

不思議に感じるかもしれませんが、資産をいつ取得したかで計算方法が変わるのです。

「ア.平成19年4月1日以降に取得」のときは以下の計算方法になります。

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償却率というのは「②耐用年数」で説明させていただいた、「耐用年数」に応じて法律で決まっています。

ここもよく出てくる資産を例にまとめておきます。

もし他の資産が対象になるときは、税務署などに一度ご質問ください。
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また1年の途中で購入した場合は月数按分が必要になるものも注意です。

つまり、1月に買ってすぐに事業に使い始めたら12ヶ月間使っていますので上記の計算式でOKなのですが、12月頃に買っていれば実際に事業に使っていたのが1ヶ月しかありませんので月数按分が必要なのです。

これらを同じ条件で費用に落とすのは不公平ですし、実際の減価の程度も違うでしょう。

「そこでいつ事業の用に供したか」で計算方法が変わるのです。

具体例で考えてみましょう。

取得価額200万円の軽自動車(排気量0.66リットル以下)の新車を7月15日に購入して仕事で使ったとします。

上の表を見てみますと、排気量0.66リットル以下の軽自動車の耐用年数は4年で、償却率は0.25ですね。

また7月15日に取得して事業に使い出したので、今年1年間の使用した月数は、
7月~12月の6ヶ月間です。(1ヶ月未満のつきは切り上げで1ヶ月になります)

すると減価償却費は
減価償却費=2,000,000×0.25×6/12=250,000
になります。

次は「イ.平成19年3月31日以前に取得した資産で定額法を採用しているケース」についてです。

計算式は以下のようになります。
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「ア」とよく似ていますね。

違いは「×0.9」と「旧定額法の償却率」という点です。

旧定額法の償却率は次のような感じになります。

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1年の途中で事業を購入した場合は、「ア」と同じく月数按分が必要ですのでご注意ください。

④減価償却の対象となる資産
次は減価償却の対象となる資産についてです。

減価償却をしなければいけない資産とはどのようなものでしょうか?

イメージを簡単に説明しますと建物や車やパソコンやコピー機のように年数が経過するにつれて価値が減少する資産です。

パソコンのソフトウェアなど実物のないものも減価償却の対象になります。

ただし金額の条件があります。

白色申告の人なら10万円以上、青色申告の人なら30万円以上が対象です。(平成28年10月現在)

逆に言うと、白色申告の人は10万円未満なら12月のギリギリに購入しても一発で経費に落ちます。

青色申告の人なら30万円未満のものが一発で経費に落ちます。

やはりここでも青色申告が有利になるように設定されているのですね。

⑤中古の減価償却
次は「中古で買った場合の耐用年数」についてです。

中古で買った場合、普通に考えて新品より使用できる期間は短くなりますよね。

そこで税法でも中古で買った場合は耐用年数を短くすることを認めています。

中古の耐用年数の計算方法は次のようになります。

中古の耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2

たとえば中古で2年落ちの車を軽自動車(排気量0.66リットル以下)を購入したとします。

すると法定耐用年数は
4年-2年+2年×0.2=2.4年→2年(端数切捨て)
となります。

耐用年数が短いということは、償却率が高く1年で経費になる金額が大きいということです。

その分税金が安くなりますので、購入した資産が中古であれば、耐用年数を短縮して計算するようにしましょう。

⑥事業用兼プライベートの減価償却

一つの資産を事業用にもプライベート用にも使用している場合はどのように計算すれば良いのでしょうか。

このような場合は合理的な基準を設けて事業用とプライベート用に按分して、事業用の部分だけを経費に落とすようにしましょう。

「合理的な基準」とは、たとえば建物の減価償却費ならば業務用とプライベートの床面積の比率などです。

車なら走行距離などが目安になります。

按分されているかどうかは税務署が必ず見てくる点ですので、注意してください!

⑦定率法
また今までご紹介した方法は「定額法」と言われる方法ですが、減価償却にはこの方法以外に「定率法」と言われる方法もあります。

「定率法」を簡単に説明しますと、「毎年●●%ずつ価値が減少する(=減価する)と考える」方法です。

「定額法」は毎年減少する価値が定額でした。

それに対して「定率法」は毎年減少する割合が一定なのです。

イメージで考えるとこんな感じです。

少し具体例で考えてみましょう。

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50万円で新品のパソコンを1月に購入したとします。

パソコンの償却率は税法で62.5%と決まっています。

すると1年目は
50万円×62.5%=31万2500円
が減価償却として経費に入ります。

2年目は31万2500円を引いた後の金額の62.5%が減価償却費になりますので、
(50万円-31万2500円)×62.5%=11万7187円
が減価償却として経費に入ります。

このように購入金額(2年目以降は減価償却をした後の残っている金額)に一定の率を掛けて減価償却費を求める方法を「定率法」と言います。

ただし「定率法」を使いたい場合は事前に税務署に届出を提出しなければ採用できませんので、ご注意ください。

何も届出をしていない場合は自動的に「定額法」ということです。

さてもう少し正確に計算方法を見ていきましょう。

定率法の計算方法も定額法と同じく、平成19年3月31日以前に購入したか、平成19年4月1日以降に購入したかで計算方法がことなります。

つまり次の2パターンです。

  • ア. 平成19年4月1日以降に取得した資産で定率法を採用しているケース
  • イ. 平成19年3月31日以前に取得した資産で定率法を採用しているケース

まずは「ア.平成19年4月1日以降に取得した資産で定率法を採用しているケース」について考えてみましょう。

計算式は次のようになります。

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未償却残高とは言葉の通りで、「まだ減価償却をしていない金額」のことです。

つまり「取得価額」から「昨年までに減価償却した金額」を引いた金額です。

購入した初年度ならまだ1円も償却していませんので、「未償却残高」=「取得価額」です。

数年前に買って毎年減価償却をしているときは、前年までにいくら減価償却が進んでいたかの記録を残しておかないと計算ができません。

この「未償却残高」に定率法で定められている償却率を掛け算します。

定率法の償却率は下のようになっています。

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さらにここから難しい話に突入していきます。

実は「平成19年4月1日以降に取得した資産で定率法を採用しているケース」のみ考えなければいけないことがあるのです。

「保証率」と「改定償却率」という考え方です。

定率法は「未償却残高」に「定率」を掛け算していきますので、数年すると「未償却残高」が減少していき、減価償却ができる金額がどんどん減っていきます。

そこで「未償却残高×償却率」で計算した減価償却費が、「取得価額×償却保証率」で計算した金額より小さくなったら計算方法を変えることになるのです。

償却保証率という言葉ははじめて出てきましたが、耐用年数ごとに決まっている率のことで、上記の表に載せています。

この「取得価額×償却保証率」より小さくなったら、「期首の未償却残高(改訂×改定償却率」が減価償却費になります。

イメージでいうとこんな感じです。

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「未償却残高×償却率」が定率法の基本ですが、「未償却残高」が小さくなると減価償却費が少なくなるため、「取得価額×償却保障率」というボーダーラインを設定しておく。

「未償却残高×償却率」が「取得価額×償却保証率」より小さくなれば、「改訂取得価額×改訂償却率」が減価償却費になる。

んー。やっぱりまとめても難しいですね・・・。

さて最後は「イ.平成19年3月31日以前に取得した資産で定率法を採用しているケース」です。

この場合の減価償却費は次のような計算式で求めます。

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「イ」 の場合は「ア」の場合と異なりシンプルです。

償却保証率の考え方がありませんので、普通に上記の計算をしていくことになります。

さてここまで相当詳しく減価償却を見てきました。

どうでしょうか?

ご理解いただけたでしょうか?

減価償却は深みに嵌らないようにして、無理と思ったら税務署や税理士に相談するほうが賢明です。

あまり時間をかけないようにしましょう。

(4)貸倒損失

貸倒損失というのは売掛金や貸付金、前渡金などが貸し倒れたときに計上する費用です。

いわゆる「焦げ付き」が発生した場合です。

ただし税法で貸倒れと認められるためには一定の条件を満たさないといけません。

いくつか条件があるのですが、実務的な判断基準としては

  • 会社更生法の規定で更生計画認可の決定があり債権が切り捨てられた場合
  • 民事再生法の規定で更生計画認可の決定があり債権が切り捨てられた場合
  • 債権者集会の協議の決定があり債権が切り捨てられた場合
  • 債務免除を書面で通知した場合

などがあります。

しばらくの間入金がないからと言って、貸倒損失に計上することはできないのです。

ですので、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないことと認められる場合には、内容証明で「債務免除通知」を郵送しておけば、債務免除額は税法上、貸倒損失とすることができます。

貸倒損失は税務調査で多くの場合確認される箇所ですので、内容証明の控えは置いておいておくようにしてください。

貸倒損失の計上には慎重な判断が必要になりますので、税理士、税務署に確認してから処理するようにしてください。

(5)地代家賃

地代家賃というのは月ぎめ駐車場代金や店舗家賃、事務所家賃などのことです。

地代家賃で注意が必要な点は事務所兼自宅として賃貸マンションなどを使っているケースです。

この場合は床面積などの具体的な根拠に基づいて、按分をするようにしてください。

また家賃を年払いして、翌年以降も継続して年払いをするときは、1年分を全額経費に入れても良いことになっています。

(6)利子割引料

利子割引料とは「事業用借入金の利子」や「手形の割引料」が該当します。

(7)租税公課

租税公課とは税金や印紙代などのことです。

税金の支払いは注意が必要です。

経費になる税金は次のようなものです。

  • 事業税
  • 固定資産税(事業用部分とプライベート部分の面積按分が必要)
  • 自動車税(事業用部分とプライベート部分の面積按分が必要)
  • 税込経理のときの消費税
  • 印紙税

などが該当します。

逆に経費にならない租税公課としては次のようなものがあります。

  • 所得税
  • 住民税

この分類に注意して集計してください。

(8)荷造運賃

荷造運賃とは商品などのことです。

(9)水道光熱費

水道光熱費とは水道代、電気代、ガス代、灯油代などの費用のことです。

水道光熱費の注意点も地代家賃の場合と同じく、事務所兼自宅の物件の取り扱いです。

基本的には地代家賃の按分の基準と同じ基準で按分することが望ましいです。

また明らかに水道やガスを事業として必要としないような業種は、水道代やガス代そのものを経費に入れることができません。

(10)旅費交通費

旅費交通費とは電車代や新幹線代、タクシー代などの移動関係の経費です。

旅費交通費のうち電車代、バス代などは領収書がありません。

経費は基本的に領収書が必要なのですが、領収書がもらえない旅費交通費は例外中の例外として領収書なしでも経費にできます。

とはいえ、「いつ」「何が目的で」の交通費だったのかについては、エクセルなどに記録しておくことが望ましいでしょう。

また最近はプリペイドカードが普及していますので、プリペイドカードを領収書代わりに保存しておくこともお勧めです。

旅費交通費の注意点として、もう1点。

海外への渡航費の取り扱いです。

海外に商用で行けば、ついでに観光も一緒にしたいのが人情ですよね。

そして観光部分のホテル代などの滞在費も思わず経費に落としてみたくなるものです。

ただ税務署もそのあたりは疑ってかかります。

海外渡航費は金額が大きくて目立ちやすい上に、観光費を一緒に落とすケースが頻発するからです。

この「ビジネス+観光」のときの経費になる金額は次のようになります。

  • 往復の飛行機代などは全額経費
  • 滞在費は日数で按分

この基準に従って海外渡航費は集計してください。

(11)通信費

通信費とは電話代や切手代、郵送代、電報代などを言います。

最近はネットのプロバイダー代金や、メール配信スタンドの代金なども通信費に該当します。

通信費も事業用とプライベート用の按分が重要になりますので注意してください。

(12)広告宣伝費

広告宣伝費とは求人広告を雑誌に出したり、インターネットのPPC広告代などを出したりした金額を集計するものです。

広告宣伝費のポイントは「掲載された日に経費に落ちる」ということです。

たとえば12月に1月発売の雑誌への広告代を支払った場合、まだ雑誌が発売されていませんので経費に落ちません。

前払費用となって翌年の経費になるのです。

メルマガ広告やPPC広告も同じです。

メルマガ広告ならメルマガが発行されて始めて経費です。

PPCはクリックされて消費されたら経費です。

いつ経費になるか、には注意をしてください。

(13)交際費

接待交際費とは接待のための飲食代や、得意先の慶弔禍福に伴うお祝いや香典、お中元やお歳暮などのことです。

接待交際費はズバリ一番税務署が疑うところです。

なぜなら一番プライベート費用が混じる可能性が高いからです。

得意先にプレゼントしたように見せた自分用の物、親戚の結婚祝い、プライベートな飲み代など、接待交際費は経費性がないものがよく混じっているのです。

経費の基本は「売上を上げるために必要なもの」です。

その視点を忘れずに集計してください。

また接待交際費は税務署が一番目をつけている箇所ということも忘れずに判断するようにしましょう。

(14)損害保険料

損害保険料とは建物などの火災保険や社用車の自動車保険、商品の損害保険などが該当します。

注意すべき点は、事業用兼自宅用の物件にかかる火災保険の取り扱いです。

今まで何度か出てきましたが、こういった事業用とプライベートが混在してしまう経費については按分が必要でした。

火災保険も例にもれずやはり按分をするようにしてください。

また保険料は年払いであれば、1年分を全額経費に入れることが可能ですが、数年分を一括で支払っている場合には申告する年にかかる部分だけを経費にいれるようにしてください。

(15)修繕費

修繕費は建物の修理などの費用のことです。

この経費の注意点は「原状回復に必要なものか否か」です。

たとえば汚れた壁紙を元通り綺麗にする支払いは修繕費なのですが、壁紙をタイルに張り替えたりするのは「修繕費」ではなく「建物付属設備」という資産になって減価償却の対象になるのです。

この「現状回復」か「資産価値の増加」かは税務上判断が難しい点です。

判断に迷う場合は税務署に問い合わせてみてください。

(16)消耗品費

消耗品費とは文具代やコピー用紙、トイレットペーパーなどいわゆる「消耗品」が該当します。

消耗品費の注意点は「10万円、又は30万円を超える資産が入っていないか?」です。

減価償却費のところでお伝えしたことの裏返しなのですが、復習も兼ねてもういちど「減価償却資産」と「消耗品費」との違いを確認しましょう。

白色申告の人は10万円未満のものは「消耗品費」として一発で経費になりますが、10万円以上のものは「減価償却」の対象になります。

青色申告の人は30万円未満のものは、1「消耗品費」として一発で経費になります(ただし10万円以上のものは年度合計で300万円まで)が、30万円以上のものは「減価償却」の対象になります。

この点に気をつけて経費を集計してください。

(17)福利厚生費

福利厚生費とは従業員さんへの福利厚生のための費用です。

たとえば社員全員が使えるスポーツジムや歓送迎会などがあてはまります。

ただし一人で事業を行っている場合は注意が必要です。

一人で事業を行っている個人事業主のスポーツジム代などは「限りなくクロに近いグレー」です。

税務調査で指摘される可能性が高く、「実質はプライベート費用とどう違うのか」が説明できないからです。

他には会社が負担すべき健康保険料などの社会保険もここに入ります。

(18)雑費

雑費とは今までの区分に該当しなかった「その他もろもろの諸経費」とお考えください。

具体的には銀行での振込手数料や、ゴミの回収費用などが該当します。

年間を通じてあまり金額が大きくなるようであれば、雑費ではなくて独自で科目を作成するようにしましょう。

(19)その他の経費

ここまでの経費は確定申告書の「収支内訳書」という書類に最初から印字されている経費です。

これ以外にも「収支内訳書」は経費を記入する欄があります。

基本的には「規定の経費に区分ができないもの」で、「金額が大きいもの」です。

たとえば固定資産を売却したときの売却損などです。

以上、かなり長くなりましたが経費について書いてきました。

最後にもう一度復習なのですが、経費について重要なことは「漏れなく多すぎずに集計すること」と「経費になるものだけ集計すること」の2点です。

科目を多少間違っていても税務署は何も言いません(多少です)

なぜなら税金の金額そのものは変わらないからです。

しかしこの2つのポイントが正しいか否かはしっかり見られます。

この2つのポイントが間違っていると税金の金額が変わるからです。

何が重要かという視点を忘れずに集計してください。

4「収支内訳書(白色申告)・青色申告決算書」の作成方法

(1)の作成の流れでも説明させていただいたことですが、白色申告の人と青色申告の人では使う用紙が異なってきます。

白色申告の人は「収支内訳書」という用紙、青色申告の人は「青色申告決算書」という用紙を使うことになります。

これらの用紙は税務署に行ってもらうか、国税庁のHPからダウンロードできます。国税庁のHPは次のサイトになります。(平成28年10月現在)

>http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/02.htm

このサイトの「収支内訳書(一般用)」というのが白色申告の人が使う用紙です。

青色申告の人は「所得税青色申告決算書(一般用)」を使ってください。

なのでまずはご自身が「白色申告」なのか「青色申告」なのかを確認してください。

ここからは白色申告と青色申告を分けて説明させてもらいます。

【1】白色申告、収支内訳書の作成方法

白色申告の人が作成する「収支内訳書」というのは、簡単に言いますと
「1月1日から12月31日までの売上や仕入、その他の経費がいくらあって、いくら利益が出たのか」を記載する用紙です。

サンプルをこのレポートの付録として最後にお付けしておりますので、その部分だけでもプリントアウトしながら見ていただくとわかりやすいかと思います。

収支内訳書は2枚一組で構成されておりますので、1枚目から見ていきましょう。

1枚目に記載するのは次のような内容です。

  • あなたの住所、氏名、事業所の所在地、電話番号などの基本情報
  • 売上などの収入から、仕入や給料などの経費を差し引いて、利益がいくら残るかのデータ
  • 給料の内訳、税理士等への支払いの内訳、事業専従者の氏名

(1)基本情報の記載方法
まずは一番上の基本情報の記載方法からです。

「平成□年分」のところは、計算している年度の数字を記入します。


たとえば「平成28年1月1日~平成28年12月31日」までの1年間の確定申告をするのは平成29年の3月ころですが、このときは「平成28年分 収支内訳書」となります。

住所、氏名、事業所所在地、電話番号を記載してください。

ちなみに印鑑は必ずしも実印ではなくてもよく、認印でもOKです。

業種名は一般的にわかりやすい表現で書いてください。

表現そのものが決まっているわけではありませんので、わかりやすく書けばOKです。

たとえばこのような感じです。

  • 「アフィリエイター」 → 「アフィリエイトの運営」や「インターネット広告業」
  • 「情報起業家」 → 「インターネットによるコンテンツ販売」

加入団体名は組合などに加入していれば記載するのですが、何にも加入していなければ空白でOKです。

(2)収入金額・経費の記載方法

次に1枚目の左半分への記入です。

左半分は次のようになっています。

ここは基本的には上記(2)で集計していただいた金額を記入するだけです。

少しだけわかりにくいところを補足説明させてもらいます。

売上原価のところですが、(2)でもご説明しましたが、経費になる売上原価とは
「期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高」です。

この計算を収支内訳上で行いますので、
⑤の「期首商品(製品)棚卸高」には1/1の棚卸をした在庫の金額を記入します。

⑥の「仕入金額」には今年中に仕入れをした金額と買掛金になっているものも含めて記入します。

⑦に⑤+⑥の金額を記載します。

⑧の「期末商品(製品)棚卸高」には12/31の棚卸をした在庫の金額を記入します。

そして最後に⑨に⑦-⑧の金額を記載しますと、結果的に売上原価が算出されるという仕組みになっています。

⑪~⑱までの経費の欄は経費を順番に記入するだけです。

そして⑳がポイントです。

(3)専従者控除の説明

この言葉の意味をしっかり理解してください。

間違うと税金の計算が間違ってきます。

専従者控除とは簡単に言うと「事業を手伝ってくれている家族への給与」のことです。

もうちょっと正確に言いますと、

  • 事業主と生計を一にしている配偶者かその他の親族
  • その年の12/31で年齢が満15歳以上
  • その年の6ヶ月超、もっぱら事業に従事している

の3つの要件を満たしている場合です。

3つとも満たしていないとダメです。

特に「その年の6ヶ月超、“もっぱら”事業に従事している」点が重要です。

“もっぱら”なので、奥さんがたとえば半年超パートに出ていてはいけないのです。

ちょっと気をつけてください。

この専従者控除の金額は決まっているのです。

金額は
・事業主の配偶者の人が86万円、それ以外の家族の人が50万円
又は
・専従者控除前の所得の金額/(専従者の数+1)
のどちらか低いほうとなります。

あ、またちょっと税金っぽくて難しくなってきましたね(笑)

こういうときは具体例で考えましょう。

専従者控除前の金額って、「売上-経費」ってことです。

奥さん一人が専従者控除の対象の場合、「売上-経費」が200万円なら、
200万円/(1+1)=100万円
になりますね。

この100万円と86万円のいずれか小さいほうが「専従者控除」になるわけなので、今回は86万円が専従者控除になります。

もうひとつ具体例です。

さきほどと同じく奥さん一人が専従者控除の対象で、「売上ー経費」が100万円だったらどうでしょうか。

100万円/(1+1)=50万円なので、専従者控除は86万円と50万円のいずれか小さいほう、すなわち50万円になるのです。

簡単にイメージを言いますと、あまり利益が出てないのならば、専従者控除は86万円より少なくなるよ、ということですね。

ちなみに専従者控除は実際にもっと渡している場合であっても、この金額しか控除できません。

逆に言うとこの専従者控除は実際に支払っていなくても控除が受けられるのです!

そう税法で決まっているのです。

(4)専従者給与の説明
青色申告をしている人が家族に事業を手伝ってもらった場合に支払う「専従者給与」は実際に支払わなければいけません。

逆に言うと支給額が0円ならば専従者給与も0なのです。

この点は少し複雑なので混同しないようにしてください。

ただし専従者控除を受けると、配偶者控除や配偶者特別控除が受けられなくなりますので、その点もご記憶ください。

専従者控除が計算できますと、最後に⑲-⑳をしたものを「所得金額」に記載して完了です。

では次は収支内訳書の右側の部分の記入をしましょう。

(5)給料賃金の内訳の記載方法

この欄は「家族以外の人」に給料を支払った場合に記入する欄です。

氏名、年齢、業務に従事していた月数を記載していってください。

賞与を給料と別に支給している場合は賞与と給料を別に集計して記載します。

その合計額を「合計」の欄へ記入します。

「源泉徴収税額」の欄は年末調整が終了した後の税額を記入します。

つまり「実際に源泉徴収した金額」ではなくて、年末調整をした後の各人さんの所得税額を記入するのです。

年末調整をした後の「源泉徴収票」に金額が記載されています。

ただし1年の途中で退職した人については徴収した金額をそのまま書きます。

このあたりは複雑ですので間違わないように注意してください。

このような要領で一人ずつ必要事項を記入していきます。

また3人以上の従業員さんがいる場合は、金額の大きい3人を記載し、その他の人はまとめて「その他( 人分)」の欄へ記入してください。

一番下の「計」の欄は合計した金額を記載します。

各数値の合計額を記入してください。

「延べ従事月数」の箇所は各人さんの従事月数の延べ合計を記入します。

たとえば12ヶ月間フルに働いていた人が2人いるならば、延べ月数は12+12=24になります。

(6)税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳の記載方法

1年間で税理士や弁護士などに支払うことの確定した金額を記載します。

この報酬の料金は「支払うことの確定した金額」なので、12月31日の時点で未払いであっても含めることができます。

源泉徴収税額も同様に、未払いの源泉所得税も含めて記載します。

では1枚目の最後になりました。

(7)事業専従者の氏名等の記載方法

書き方はいたって単純です。

事業専従者の名前、年齢、続柄、従事月数を記載します。

注意が必要な点は「事業専従者って何?」という点です。

「専従者控除」のところでも書きましたが重要ですので、もう一度おさらいをしましょう。

事業専従者とは簡単に言うと「事業を手伝ってくれている家族」のことです。

正確に言いますと、

  • 事業主と生計を一にしている配偶者かその他の親族
  • その年の12/31で年齢が15歳以上
  • その年の6ヶ月超、もっぱら事業に従事している

の3つの要件を満たしている家族です。

よく間違いがあるのが「6ヶ月超もっぱら事業に従事」の部分です。

奥さんが他でパートをしているときは「もっぱら従事」になりませんので、事業専従者に該当しません。

ご注意ください。

次は収支内訳書の2枚目(裏側)を見ていきましょう。

(8)売上(収入)金額の明細と仕入金額の明細の記載方法

ここは得意先の名前と住所、1年間の取引額を記載します。

金額の大きいものから記載し、書ききれないときは「上記以外の売上先の計」「上記以外の仕入先の計」にまとめて記載してください。

年末に「掛け」になっているようなものも金額に含めます。

(9)減価償却の計算の記載方法

減価償却のことは覚えていただいておりますか?

くわしくは「(2)売上や各経費を集計しましょう」の【減価償却】の箇所でご説明させていただきました。

簡単に言いますと、車などの資産を買った場合、1年で全額が経費になるのではなくて、法律で決められた期間に応じて経費に落ちていくという計算方法のことです。

もし忘れておられる方は読みなおしてみてください。

ここでは書き方をご説明させていただきます。

一番左から埋めていきます。

「減価償却資産の名称等」は一般的にわかりやすい表現で対象資産を記載してください。

たとえば「小型自動車」や「木造建物(店舗)」、「パソコン」のような表現でOKです。

「取得価額」とは資産を購入した金額です。

この取得価額は、消費税がかかっていない年は「税込」で、消費税がかかりだしてからは消費税の経理方法に合わせて記載します。

つまり税抜経理をしていれば「税抜」、税込経理をしていれば「税込」で記載することになります。

「償却の基礎になる金額」は少し説明が必要です。

  • 定額法で平成19年4月1日以降に取得の場合・・・取得価額
  • 定額法で平成19年3月31日以前に取得の場合・・取得価額×0.9
  • 定率法・・・・・・・・・・・・・・未償却残高(1年目は取得価額)

となります。

「耐用年数」は資産の種類ごとに決まっている法定耐用年数を記入します。

「償却率」も耐用年数がわかれば決まっています。

「本年中の償却期間」は今年に購入した資産については使った月数(1ヶ月未満は切り上げ)を、前年以前に購入していた資産については「12」を記入します。

少し飛んで「事業専用割合」というのはプライベートと事業用の両方で使っているような資産について、事業用としてはどれくらいの割合を使用していたかを記入します。

最後に「未償却残高」ですが、これは今年の減価償却が終わって、あとどれくらい償却していない金額があるかです。

前年度の「未償却残高」から今年減価償却をした金額をマイナスすることで求まります。

(10)地代家賃の内訳の記載方法

さて次は支払った地代や家賃の明細です。

支払先の住所や氏名を記入して、その物件の内容を書きます。

「賃借物件」のところは土地ならば土地と記載します。

「本年中の賃借料・権利金等」については、
権利金や更新料などは上段に記載し、家賃などの賃借料は下段に記載します。

この金額は実際に支払った金額だけでなく、支払うことの確定した金額を記載します。

権利金や更新料を支払った場合は、権利金なら「権」に更新料なら「更」に○を付けてください。

ちなみに権利金というのは「返ってこないお金」のことで、退去時に返金される「差入保証金」は記載しません。

最後に家賃や地代などの賃借料のうち、業務に使ったものとして経費に算入した金額を「左の賃借料のうち必要経費算入額」に記入します。

(11)利子割引料の内訳の記載方法

いよいよ内訳書も最後の記載事項です。

銀行などの金融機関以外、つまり個人や普通の会社からお金を借りて、利息を支払った場合には「12/31の借りている金額」「1年間で支払った利息」「利息のうち事業のための借入金に対応する利息」を記入します。

さてここまで白色申告の人が作成する「収支内訳書」の記載方法についてご紹介してきました。

どうでしたでしょうか?作れそうでしょうか?

収支内訳書が完成すれば、次は「申告書B 第一表」「申告書B 第二表」の作成です。

【2】青色申告、青色申告決算書の作成方法

青色申告の人が作成する「青色申告決算書」というのは簡単に言いますと
「1月1日から12月31日までの売上や仕入、その他の経費がいくらあって、いくら利益が出たのか」
「12月31日の時点で持っている資産や負債の金額はいくらか」

を記載する用紙です。

サンプルをこのレポートの付録として最後にお付けしておりますので、プリントアウトしながら見ていただくとわかりやすいかと思います。

(1)基本情報の記載方法
「青色申告決算書」は4枚一組で構成されておりますので、1枚目から見ていきましょう。

1枚目に記載するのは次のような内容です。

  • あなたの住所、氏名、事業所の所在地、電話番号などの基本情報
  • 売上などの収入から、仕入や給料などの経費を差し引いて、利益がいくら残るかのデータ

まずは一番上の基本情報の記載方法からです。

「平成□年分」のところは、計算している年度の数字を記入します。


たとえば「平成28年1月1日~平成28年12月31日」までの1年間の確定申告をするのは平成29年の3月ごろですが、このときは「平成28年分所得税青色申告決算書」となります。

住所、氏名、事業所所在地、電話番号は普通に記載してください。

ちなみに印鑑は必ずしも実印でなくてもよく、認印でもOKです。

業種名は一般的にわかりやすい表現で書いてください。

表現そのものが決まっているわけではありませんので、わかりやすく書けばOKです。

たとえばこんな感じです。

  • 「アフィリエイター」 → 「アフィリエイトの運営」や「インターネット広告業」
  • 「情報起業家」 → 「インターネットによるコンテンツ販売」

加入団体名は組合などに加入していれば記載するのですが、何にも加入していなければ空白でOKです。

(2)損益計算書の記載方法
次は下半分の「損益計算書」の箇所です。

ここは基本的には上記(2)で集計していただいた金額を記入するだけです。

少しだけわかりにくいところを補足説明させてもらいます。

売上原価のところですが、(2)でもご説明しましたが、経費になる売上原価とは
「期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高」です。

この計算を収支内訳上で行いますので、
②の「期首商品(製品)棚卸高」には1/1の棚卸をした在庫の金額を記入します。

③の「仕入金額」には今年中に仕入れをした金額と買掛金になっているものも含めて記入します。

④に②+③の金額を記載します。

⑤の「期末商品(製品)棚卸高」には12/31の棚卸をした在庫の金額を記入します。

そして最後に⑥に④-⑤の金額を記載しますと、結果的に売上原価が算出されるという仕組みになっています。

⑧~?までの経費の欄は経費を順番に記入するだけです。

1点だけ注意点をお伝えします。

「給料賃金」の箇所ですが、ここは家族以外の人に支払った給料を記載します。

正確には「青色事業専従者に支給した給与以外」です。

「青色事業専従者給与」については後ほどじっくり説明させてもらいますが、家族への給料は記入しないでください。

そして?でいったん⑦-?を計算して利益を求めます。

ここまでは白色申告の人も同じ計算ですが、ここ以降が青色申告の人だけの特別な計算になります。

ポイントは3点。

  • ①貸倒引当金
  • ②専従者給与
  • ③青色申告特別控除

この3点が青色申告の人にだけ認められる特典であり、?以降に記載していく事柄です。

ひとつずつ見ていきましょう。

(3)貸倒引当金の説明

貸倒引当金は「かしだおれひきあてきん」と読みます。

これは売掛金などの債権が、相手先が倒産することなどにより回収できない「可能性」に備えてあらかじめ一定の金額を「損失」に入れておくというものです。

「可能性」なので実際に貸し倒れるわけではありません。

なので上場企業など倒産する可能性が極めて低い得意先に対する売掛金も対象となります。

また「損失に入れる」ということは「経費が増える」ということなので、その分税金が安くなるのです。

つまり「貸倒引当金」=「節税」と考えてください。

では具体的に貸倒引当金の計算方法をご紹介します。

貸倒引当金を計算するときは、青色申告決算書の2ページ目にある「貸倒引当金繰入額の計算」という箇所を進めるほうが簡単です。

2ページ目の下のほうにこのような箇所があると思います。

ここが貸倒引当金の計算をする場所ですので、見ながらご説明させていただきます。

まず貸倒引当金には「個別貸倒引当金」と「一括貸倒引当金」という2種類があります。

簡単にイメージをお伝えすると、

  • 「本当に倒産して貸し倒れそうな債権に対する貸倒引当金」・・・個別貸倒引当金
  • 「通常の債権に対する貸倒引当金」・・・・・・・・・一括貸倒引当金

とお考えください。

ではどのような状況になれば、個別貸倒引当金の計上が認められるのか。

つまり税法的に「本当に倒産して貸し倒れそうな状態」とはどういう状況なのでしょうか。

実務的に「個別貸倒引当金」が計上できるのは次のような状態です。

  • 会社更生法や民事再生法などの規定によって更生計画(再生計画)認可の決定があった
  • 会社更生法や民事再生法の規定によって更正(再生)手続き開始の申立があった
  • 債権者集会の協議の決定があった
  • 手形交換所の取引停止処分があった

ポイントは「法的に」という点です。

つまり「半年ほど前に社長が夜逃げして音信不通になった」というような状況では、個別貸倒引当金の対象にはできないのです。

これ以外の状況のときは通常の債権と考えられて「一括貸倒引当金」の対象になります。

個別貸倒引当金と一括貸倒引当金の分類ができたら、次は経費に入れる金額の計算です。

経費に入れることができる金額は個別貸倒引当金と一括貸倒引当金では異なります。

個別貸倒引当金の状況のほうが逼塞しておりますから、当然貸倒れリスクも高く、損失として経費に入れる金額も大きくなるのです。

個別貸倒引当金の繰入できる金額の計算は次のように計算します。

①「会社更生法や民事再生法などの規定によって更生計画(再生計画)認可の決定があった場合」や「債権者集会の協議の決定があった場合」

②「会社更生法や民事再生法の規定によって更正(再生)手続き開始の申立があった場合」や「手形交換所の取引停止処分があった場合」

少し補足説明をします。

②の場合で、対象となる得意先に対する金銭債権と金銭債務が両方ある場合は、引き算をしなければいけません。

つまり「もらうお金はあるが、同時に支払うお金もある」というケースです。

このようなときは、万一相手先が倒産したらもらえるお金は入ってきませんが、支払うお金も支払わないので、差額が損をした金額になるのです。

イメージで考えると下図のようになります。

買掛金以外には、抵当権などで担保されている金額なども「債権と認められないものの金額」に含まれます。

ただし支払手形は除かれます。

このように個別貸倒引当金の計算には2パターンありました。

どのような事由によっているかで計算パターンが変わりますのでご注意ください。

ちなみに「会社更生法の規定による更正計画認可の決定があり、債権が切り捨てられたら「貸倒引当金」ではなくて「貸倒損失」になります。

つまり債権全額が経費になるということです。

次は一括貸倒引当金の繰り入れできる金額の計算方法です。

繰入限度額の計算方法は次のようになります。

ここも少し補足させてもらいます。

対象となる金銭債権は売掛金や貸付金などが対象ですが、事務所の差入保証金(退去時に返って来るもの)などは含まれません。

また掛ける率については、一般の事業は5.5%ですが、金融業は3.3%になります。

このように貸倒引当金を計算して、計算過程を「青色申告決算書」の2枚目に記入し、計算結果を「青色申告決算書」の1枚目の損益計算書の○39に記入してください。

また前年に経費に繰り入れた「貸倒引当金」の金額がある場合は、繰り入れた金額と同じ金額を翌年は収益に入れなければいけません(繰り戻しと言います)。

この「繰り戻し」の金額を記入するのが、損益計算書の○34です。

つまり貸倒引当金で節税効果が出るのは最初の1年間だけなのです。

忘れずに記入するようにしてください。

(4)専従者給与の説明

「専従者給与」というのは簡単に言いますと、家族に事業を手伝ってもらった場合に支払う給料やアルバイト代のことです。

ただし6つの条件を満たさないと「専従者給与」は認められません。

その6つの条件とは

  • ①本人と生計を一にする配偶者その他の親族
  • ②その年の12月31日現在で年齢が15歳以上
  • ③原則としてその年に6ヶ月超もっぱら事業に従事している
  • ④「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出している
  • ⑤届出書に記載した範囲内の適正額を支給している
  • ⑥支払った金額が、労務の対価として適正な金額である

の6つです。

内容を少し詳しく確認していきましょう。

まず①の「本人と生計を一にする配偶者その他の親族」についてです。

個人事業主本人と生計を同じにしている家族ということですが、「生計を一」にしているとは、事業主の稼ぎで家族が暮らしていることであり、必ずしも同じ家に住んでいるということではありません。

次は②の「その年の12月31日現在で年齢が15歳以上」については文面通りで、15歳未満の人に支払ったアルバイト代などは経費に認められません。

④の「原則としてその年に6ヶ月超もっぱら事業に従事している」は少し注意が必要です。

「もっぱら」ということは、労働可能時間の1/2超、例えば半年超もっぱらアルバイトをしていたり、高校や大学に通っていたり、入院をしていたりする期間は認められないということです。

奥さんが長期間パートに出ていたりするとアウトですので、注意してください。

④の「青色事業専従者給与に関する届出書」は国税庁のHPからダウンロードできます。

届出書を提出するタイミングは注意が必要です。

届出書は確定申告の対象となる年の3月15日までに届出をしておかなければいけません。

つまり確定申告の計算をしているころでは手遅れで、1年前に事前に届出を済ませておかなければいけないということです。

そしてこの届出書に記載されている金額の範囲内で給与を支払う必要があるのです。

これが5つ目の条件です。

最後に支払った給与が専従者の労務の対価として適正であること、つまり労働に対して世間一般から見て高すぎる給与は、経費として認められないということです。

以上の5つの条件を満たして初めて、家族への給料が経費に認められます。

全てを満たしているときは?の「専従者給与」の欄に金額を記載してください。

(5)青色申告特別控除の説明

青色申告特別控除とはきちんとした経理を推奨することを目的に作られたものです。

複式簿記で記帳していれば65万円が、簡易簿記で記帳していれば10万円が青色申告特別控除として利益が引くことができます。

この控除は大きいです。

何せ経費のようにお金を使ったわけでもないのに、経費と同じように利益から控除してもらえるのです。

ただし65万円の控除を受けるためには複式簿記できちっと経理をして、確定申告書に「貸借対照表」を添付しなければいけません。

貸借対照表については後ほど詳しくご説明しますが、簡単にいうと「財産目録」です。

つまり12月31日の時点で、預金がいくら残っていて、売掛金がいくら残っていて、買掛金がいくら残っているか、などの資産と負債の一覧表のことです。

貸借対照表は「資産と負債の一覧表」なのですが、12月31日になって自分の財産を書き出して作る、というような方法では作れません。

かならず背景に1年間の全ての取引の集計が必要なのです。

なぜなら65万円控除の条件である「複式簿記」で経理をすると、貸借対照表と損益計算書が必ず関連していくからです。

「売上が○○円計上されたので、預金が○○円増えた」
「通信費が○○円かかったので、預金が○○円減った」

このように収益があがれば同じ金額の資産が増えますし、
費用が発生すれば同じ金額の資産が減ります。

ですので、貸借対照表と損益計算書は表裏一体の関係になるのです。

毎日の一つ一つの取引をきちんと集計していって「貸借対照表」と「損益計算書」を作らないと必ず矛盾が生じます。

形だけ「貸借対照表」を作っても、経理のプロや税務署が見れば一発で複式簿記によっていないことがバレます。

「売上や経費だけを集計して、最後にとりあえず貸借対照表を作った」というやり方は止めてください。

65万円か10万円かを判断して、?の「青色申告特別控除」に記入してください。

以上、かなり長くなりましたが、

  • ①貸倒引当金
  • ②専従者給与
  • ③青色申告特別控除

の3つについてご紹介してきました。

青色申告のメリットの箇所ですので、しっかり計算して、忘れることなく記載するようにしましょう!

「青色申告決算書」の1枚目はこれで完成です。

(6)月別売上(収入)金額及び仕入の記載方法

2枚目は簡単に言いますと「1枚目の損益計算書の詳しい明細」という位置づけです。

具体的には、「売上」「仕入」「給料賃金」「専従者給与」「貸倒引当金」「青色申告特別控除」の6つの内容を記載します。

まずは「売上」「仕入」の明細についてです。

ここは月別の売上や仕入れの金額を記載する箇所です。

月ごとに売上を集計して計上するようにしてください。

「家事消費」というのは商品を自分で使ったり、親戚や知人に無料や無料同然の値段で売却した場合に計上します。

無料であったり、無料同然なのでお金が入ってきませんが、税務上は通常の販売価額の70%で計上しなければいけません。

「雑所得」というのは本業以外の収入を言います。

たとえば空箱や作業くずの売却による収入などが該当します。

また消費税を「税込経理」している方で、消費税の還付を受けた場合も雑収入に計上します。

ただし、商品の運搬に使っていた営業車両や機械設備などの売却による利益などは「譲渡所得」という区分になります。
(このレポートでは説明しませんので、税務署等で確認してください)

法人の会計をご存知の方はよく勘違いされるのでご注意ください。

(7)給料賃金の内訳の記載方法

この欄は「家族以外の人」に給料を支払った場合に記入する欄です。

氏名、年齢、業務に従事していた月数を記載していってください。

賞与を給料と別に支給している場合は賞与と給料を別に集計して記載します。

その合計額を「合計」の欄へ記入します。

「源泉徴収税額」の欄は年末調整が終了した後の税額を記入します。

つまり「実際に源泉徴収した金額」ではなくて、年末調整をした後の各人さんの所得税額を記入するのです。

年末調整をした後の「源泉徴収票」に金額が記載されています。

ただし1年の途中で退職した人については徴収した金額をそのまま書きます。

このあたり複雑ですが間違わないように注意してください。

このような要領で一人ずつ必要事項を記入していきます。

また3人以上の従業員さんがいる場合は、金額の大きい3人を記載し、その他の人はまとめて「その他( 人分)」の欄へ記入してください。

一番下の「計」の欄は合計した金額を記載します。

各数値の合計額を記入してください。

「延べ従事月数」の箇所は各人さんの従事月数の延べ合計を記入します。

たとえば12ヶ月間フルに働いていた人が2人いるならば、延べ月数は12+12=24になります。

(8)専従者給与の内訳の記載方法

記載する事項や記載方法は先程の「給料賃金の内訳」と同じですが、家族はこちらに記載してください。

さて「貸倒引当金繰入額の計算」の記載方法は先程ご紹介しましたので割愛します。

(9)青色申告特別控除の計算の記載方法
不動産所得を持っている人は少し複雑になりますが、このレポートでは事業所得だけの人に絞って書き方をご説明します。

不動産所得を持っていない人は⑥、⑧は関係ありません。

複式簿記で経理をしていて確定申告書に貸借対照表を添付できる人は「65万円の青色申告特別控除を受ける場合」の欄を、それ以外の人は「上記以外の場合」の欄を使います。

まずは⑦に先ほど作った損益計算書?「青色申告特別控除前の所得金額」の数字を記載します。

その後の書き方は65万円控除でも10万円控除でも同じですので、65万円控除を例にとってご説明します。

「青色申告特別控除前の所得金額」の金額が65万円より多ければ65万円が控除され、65万円より少なければ全額が控除されます。

ですので、⑨の欄に65万円か「青色申告特別控除前の所得金額」を記載すればokです。

2枚目もこれで完成しました。

では次に3枚目の説明に入ります。

3枚目も損益計算書の内訳の説明になります。

具体的には「減価償却費の計算」「利子割引料の内訳」「地代家賃の内訳」「税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳」になります。

(10)減価償却の計算の記載方法
まずは「減価償却の計算」からです。

減価償却のことは覚えていただいていますか?

くわしくは「(2)売上や各経費を集計しましょう」の【減価償却】の箇所でご説明させていただきました。

簡単に言いますと、車などの資産を買った場合、1年で全額が経費になるのではなくて、法律で決められた期間に応じて経費に落ちていくという計算方法のことです。

もし忘れておられる方は読みなおしてみてください。

ここでは書き方をご説明させていただきます。

一番左から埋めていきます。

「減価償却資産の名称等」は一般的にわかりやすい表現で対象資産を記載してください。

たとえば「小型自動車」や「木造建物(店舗)」、「パソコン」のような表現でOKです。

「取得価額」とは資産を購入した金額です。

この取得価額は、消費税がかかっていない年は「税込」で、消費税がかかりだしてからは消費税の経理方法に合わせて記載します。

つまり税抜経理をしていれば「税抜」、税込経理をしていれば「税込」で記載することになります。

「償却の基礎になる金額」は少し説明が必要です。

  • 定額法で平成19年4月1日以降に取得の場合・・・取得価額
  • 定額法で平成19年3月31日以前に取得の場合・・取得価額×0.9
  • 定率法・・・・・・・・・・・・・未償却残高(1年目は取得価額)

となります。

「耐用年数」は資産の種類ごとに決まっている法定耐用年数を記入します。

「償却率」も耐用年数がわかれば決まっています。

「本年中の償却期間」は今年に購入した資産については使った月数(1ヶ月未満は切り上げ)を、前年以前に購入していた資産については「12」を記入します。

少し飛んで「事業専用割合」というのはプライベートと事業用の両方で使っているような資産について、事業用としてはどれくらいの割合を使用していたかを記入します。

最後に「未償却残高」ですが、これは今年の減価償却が終わって、あとどれくらい償却していない金額があるかです。

前年度の「未償却残高」から今年減価償却をした金額をマイナスすることで求まります。

(11)利子割引料の内訳の記載方法

ここは銀行などの金融機関以外、つまり個人や普通の会社からお金を借りて、利息を支払った場合に記載します。

「12/31の借りている金額」「1年間で支払った利息」「利息のうち事業のための借入金に対応する利息」を記入すればokです。

(12)地代家賃の内訳の記載方法

支払先の住所や氏名を記入して、その物件の内容を書きます。

「賃借物件」のところは土地ならば土地と記載します。

「本年中の賃借料・権利金等」については、
権利金や更新料などは上段に記載し、家賃などの賃借料は下段に記載します。

この金額は実際に支払った金額だけでなく、支払うことの確定した金額を記載します。

権利金や更新料を支払った場合は、権利金なら「権」に更新料なら「更」に○を付けてください。

ちなみに権利金というのは「返ってこないお金」のことで、退去時に返金される「差入保証金」は記載しません。

最後に家賃や地代などの賃借料のうち、業務に使ったものとして経費に算入した金額を「左の賃借料のうち必要経費算入額」に記入します。

(13)税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳の記載方法

ここは1年間で税理士や弁護士などに支払うことの確定した金額を記載します。

この報酬の料金は「支払うことの確定した金額」なので、12月31日の時点で未払いであっても含めることができます。

源泉徴収税額も同様に、未払いのものの源泉所得税も含めて記載します。

これで3枚目も完成です。

いよいよ次で最後の4枚目です。

(14)貸借対照表の記載方法
4枚目は「貸借対照表」と「製造原価の計算」についてです。

まずは「貸借対照表」からです。

この貸借対照表は書き方そのものはシンプルで簡単です。

資産や負債の種類ごとに「1月1日の金額」と「12月31日の金額」を記入していくだけです。

ですが裏側に「複式簿記の裏づけ」がないと作成することができません。

単純に12月31日の残高を確認して記載するだけでは損益計算書と矛盾が生じるのです。

ですので、貸借代償表は「12月31日時点の残高に従って作成する」というより、「1年間の複式簿記の結果を記入する」と考えなければいけないのです。

その上で何点か補足でご説明します。

①「元入金」「事業主貸」「事業主借」について

まずは「元入金」「事業主貸」「事業主借」についてです。

3つともあまり聞きなれない言葉ですね。

ですが確定申告書にはじめから印字されている言葉です。

意味を知っておかないと貸借対照表が作れませんので、まずは意味をご理解ください。

「事業主借」とは事業用のお金を事業主の個人通帳などから「借りた」お金のことです。

逆に「事業主貸」とは、事業に関係のないプライベートな費用や経費にならないような所得税、住民税などを事業用の通帳から支払ったときに使います。

「事業主から借りたお金」「事業主へ貸したお金」と考えると良いでしょう。

「元入金」とは事業を開始した年においては「事業の元手となるお金」のことで、
2年目以降は「その元手がどれだけの“価値”になっているか」を示します。

まだこれだけでは全然わかりませんよね。

個人事業を「投資」として考えると理解がしやすいかもしれません。

「元入金」を理解するためにもの凄く単純な具体例で考えてみましょう。

たとえば元入金が100万円で個人事業をスタートしたとします。

その100万円を使って仕入をします。

「投資」です。

その商品が150万円で売れました。

「リターン」です。

この投資では、100万円と投下して150万円が戻ってきたということになりますね。

1年間でこの取引しかなければ来年の「元入金」は150万円になります。

この具体例では150万円が現金で存在するのでわかりやすいですが、もし12月31日の時点で「売掛金」になっていたらどうでしょう。

つまり「150万円で売れたけども、入金は来年になってから」という状態です。

会計のルールでは売上を計上しなければいけませんので、「100万円投下して150万円の“価値”がある売掛金がリターンとして戻ってきた」ということになります。

先程の例と違うのは入金のタイミングが違うだけなのです。

商売が成功したことに変わりはありません。

ですのでこのときもやはり来年の「元入金」は150万円になります。

もう一度言います。

今回の例では「100万円の現金」が「150万円の“価値”」になったという投資でした。

この「価値」が「元入金」の本質です。

ですので「元入金」という金額が通帳やどこかにあるのではありません。

この点が皆さん悩まれる点です。

どうですか?ご理解いただけたでしょうか?

なぜ「価値」として考えなければいけないかというと「売掛金」以外にも「買掛金」や「前渡金」などいろいろな要素が絡むからです。

事業が儲かっているかどうかを「現預金」だけでは把握できないのです。

事業が上手くいっていればリターンが増えているはずですので、「元入金」は年々増加していきます。

「元入金」が年々増加しているのであれば、通帳にお金がなくてもきっと「売掛金」や「棚卸資産」に形を変えているはずなのです。

そう考えると「元入金」は「今、事業をやめたらどれだけのお金になるか」というイメージが近いかもしれませんね。(固定資産や繰延資産、前払費用などがある場合は除いています)

だから「価値」なのです。

ただし元入金は期中には変動しないことにしています。

新しい1年が始まるときに再計算されることになります。

これは会計のルールなので受け入れなければいけません。

ですので「貸借対照表」の元入金は1月1日と12月31日の箇所には同じ金額を記載します。

そして翌年の元入金は以下の式で計算した金額になります。

今年の元入金に「利益」を足して「事業主借」を足して「事業主貸」を引く。

そうすれば「価値」がわかるのです。

少し長い説明になりましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

イメージがしにくいところですが、事業がうまくいっているかどうかを会計から読み取る重要な視点ですので、ぜひご理解ください。

また銀行は融資の際にこのような考え方で査定しますので、覚えておいて損はない考え方です。

②「建物」「建物付属設備」「機械装置」「車両運搬具」「工具器具備品」
これらの固定資産については3ページ目の「減価償却の明細」の「未償却残高(期末残高)」の金額を転記することになります。

取得価額ではないのでご注意ください。

③「預り金」

「預り金」に入る代表的なものが「源泉所得税の預り金」です。

「源泉所得税」とは従業員さんの給料にかかる税金です。

つまり従業員さんの税金です。

ですが、給料を支払う際には「源泉所得税」を天引きして、毎月給料を支払わなければいけません。

そして預かったお金を、従業員の代わりに税務署へ納付するのです。

もし天引きを忘れてしますと、事業主が代わりに負担して税金を納めることになります。

この源泉所得税は「預り金」に含めて集計してください。

④「青色申告特別控除前の所得金額」

ここは一枚目の損益計算書の○43の金額を転記することになります。

貸借対照表と損益計算書は表裏一体の書類なので、必ず同じ金額を転記してください。

⑤合計欄について

貸借対照表の一番下は「合計」を記載する欄になっています。

つまり一番上から一番下までを集計して足し算するのですが、「資産の部」の合計額と「負債・資本の部」の合計額は必ず一致しなければいけません。

必ず、です。

一致しないということは「複式簿記ができていない」ということだからです。

複式簿記で会計をしていれば必ず合計は一致します。

それが複式簿記の仕組みだからです。

65万円の青色申告特別控除を受けるために「貸借対照表」を作成しているのに、合計額が一致していなければ複式簿記ができてないので65万円控除ができない、ということになってしまいます。

また銀行なども合計額が一致していなければ確定申告書を全く信用しなくなります。

ここまで「貸借対照表」の書き方をご紹介してきました。

いよいよ次で最後です。

(15)製造原価の計算の記載方法

ここは工場など「製造原価」を集計している事業を営んでいる人のみが記載する箇所です。

記載の仕方は基本的には損益計算書と同じです。

注意点としては水道光熱費などが工場用と事務所用などにきちんと区分して、二重に計上ならないようにしてください。

また製造原価に含まれる地代家賃などは年払いをしても経費になりません。

製造原価に含めるものは「売上に対応する」ことが大前提です。

事務所の家賃などのように年払いをして節税することができないので、ご注意ください。

ここまでで「青色申告決算書」の作成方法は終了です。

次から申告書Bの作成方法に入っていくのですが、ここまでできれば後は転記作業が中心になります。

もう少しお付き合いください。

5.申告書B(1表、2表)の作成方法

確定申告書には2種類があります。

「確定申告書A」「確定申告書B」です。

事業所得の人は「確定申告書B」を使いますので、ここでは確定申告書Bの作り方をご紹介していきます。

まずは「確定申告書B」の構成についてですが、確定申告書Bは

  • 「第一表」「第一表-住」「第一表(控え用)」
  • 「第二表」「第二表-住」「第二表(控え用)」

の6枚から構成されています。

簡単に言うと「第一表」というのは所得税の計算の概要を書く書類です。

具体的には「収支内訳書」や「青色申告確定決算書」から1年間の「売上」や「利益(所得)」を転記します。

さらに医療費控除や生命保険料控除など、いろいろな所得控除を記入し税金を計算するのが「第一表」です。

これに対して「第二表」「事業専従者の氏名や専従者給与(控除)額」などの税金の計算を補足する情報を記載する用紙です。

「第一表」「第二表」ともに、事業所得だけの人は記載しないで良い箇所もたくさんありますので、このレポートでは必要なところをご紹介していきます。

さて確定申告書は税務署に提出するのですが、実は市民税を計算するために自動的に市役所へ書類が廻されています。

これが「第一表-住」「第二表-住」です。

ですので記載する事項は「第一表」「第二表」とまったく同じです。
(税務署で確定申告書をもらうと複写になっています)

さらに確定申告書は税務署に提出すると返却されませんので、自分の控えとして「第一表(控え用)」「第二表(控え用)」も作成しておきましょう。

銀行で融資を受ける方は「第一表(控え用)」「第二表(控え用)」に税務署の受領印を押してもらったものを銀行へ見せることになりますので、忘れずに作成しましょう。

では「第一表」から見ていきましょう。

【1】基本情報の記載方法

一番上は住所、氏名等の基本事項を記載します。

数点よくミスがある箇所をお伝えします。

一番上は「平成( )年分の所得税の( )申告書B」となっています。


たとえば平成28年に申告するのは「平成28年1月1日~平成28年12月31日」の期間ですので、「平成28年分」と記載します。

申告書を作っている年ではなく、対象となる年を書くということを注意してください。

その後ろは「確定」と記入してください。

「住所」の欄は事務所兼自宅にしている場合は、その住所だけを記載します。

ですが自宅と事務所が別々の場合は上に「事務所」を下に「自宅」を記載します。

「平成( )年1月1日の住所」の欄は申告をする年の1月1日の住所を記載します。

引越しをしていなければ「同上」でokです。

右に移って、フリガナ、氏名、性別、職業、屋号、世帯主の氏名、続柄などを記載します。

フリガナは苗字と名前の間を一文字分空けます。

濁点も一文字分のスペースを使ってください。

印鑑は認印でokです。

生年月日の欄は「明治・・1」「大正・・2」「昭和・・3」「平成・・4」で記入してください。

「種類」の欄は青色申告をするのであれば「青色」に○を付けてください。

「番号」の欄は2年目以降の確定申告をする人に付けられている「納税者番号」です。

昨年確定申告をした人は税務署から確定申告書が送られてきますが、その用紙にはじめから印字されています。

初めて確定申告をする際には番号はありませんので、空白で結構です。

ここまでは基本事項の記載でした。

【2】収入金額・所得金額の記載方法

次はその下のメインの箇所です。

左上から順番に説明していきます。

ここで事業所得の人が記載をしなければいけない箇所は3箇所だけです。

「収入金額等」の欄には、売上高を収支内訳書又は青色申告決算書から「ア」の欄へ転記します。

「所得金額」の欄には白色申告の人は収支内訳書の1枚目の「所得金額」、青色申告の人は青色申告決算書の1枚目の「所得金額」から記載してください。

そして合計を記載します。

【3】所得控除の記載方法

この欄は事業所得とは直接関係なく、人ごとに記載する金額や事項が異なります。

全てをご説明するとかなりのボリュームになってしまいますので、ここでは重要な「社会保険料控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「小規模企業共済掛金控除」についてみていきましょう。

「社会保険料控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「小規模企業共済掛金控除」などは支払った保険の金額によって控除される金額も変わります。

つまり計算が必要になるのです。

ですので、当然その根拠となる書類が必要になります。

それぞれの内容について見ていきましょう。

(1)生命保険料控除
生命保険料控除はさらに2つに区分されます。

  • ①「一般の生命保険料」
  • ②「個人年金保険料」

の2つです。

「一般の生命保険料」とは、養老保険や定期保険などの生命保険の保険料や、病気やケガにより入院して医療費を支払った場合に保険金が支払われる医療保険の保険料のことです。

それに対して「個人年金保険料」とは、年金の給付を受けることを目的とする保険料をいいます。

つまり年寄りになったから生命保険会社から年金をもらうタイプの生命保険ということです。

具体的には

  • 1.年金の受取人が契約者(支払う人)またはその配偶者であること
  • 2.年金の受取人は被保険者(保険が掛けられる人)と同一であること
  • 3.保険料の支払い期間が10年以上であること
  • 4. 受取人の年齢が60歳以上になってからで、給付を受ける期間も10年以上であること

の4要件を満たすものを言います。

イメージとしては「保険を払う人が自分か奥さんを被保険者にして、将来の年金の受け取りも自分か奥さんにしている生命保険。10年以上支払えば、60歳以上になれば10年以上の期間年金としてお金がもらえる」というものです。

これ以外は「一般の生命保険」になります。

このように生命保険料控除は「一般の生命保険料」と「個人年金保険料」に分けて計算しなければいけないのですが、具体的な区分方法は生命保険会社が発行する「控除証明書」の中に「一般用」又は「年金用」と書いてありますのでそれに従ってください。


所得控除の金額は支払った保険料の額に応じて次の表のように計算します(下記は平成28年1月1日以降に締結した生命保険契約等に係る控除額です)

つまり生命保険料控除は「一般」と「年金」を合わせてMAXで8万円までしか受けられないということです。

「支払った保険料の額」は、生命保険会社から剰余金の分配などを受けた場合は受けとった剰余金を差し引いた金額が対象になりますので注意してください。

また生命保険会社の保険料控除証明には9月か10月までの支払額と、1年間の支払い見込み額が記載されていることがあります。

この場合は「1年間の支払い見込み額」を保険料控除の対象にしてよいことになっています。

生命保険料控除を考える際に考えなければいけないのが、「誰の税金から保険料控除をするのか」です。

なぜなら生命保険には「契約者(支払う人)」「被保険者(保険が掛けられている人)」「受取人(保険金を受け取る人)」の3人が関係してくるからです。

結論から言いますと生命保険料控除は「支払う人」の税金の計算で控除します。

つまり普通であれば「契約者=生命保険を支払う人」なので、「契約者」の税金の計算で控除します。

ただし、契約者以外の人が生命保険を支払っている場合、例えば共働きの奥さんが夫名義の契約の生命保険料を支払っている場合は、契約者には関係なくその保険料を実際に負担している奥さんが控除できます。

原則「契約者」ですが、実際は「負担した人」から控除するとお考えください。

(2)地震保険料控除
地震保険料控除は所得者本人が住んでいる自宅やその家財道具に対して地震保険を掛けたときに所得控除されます。

地震保険も生命保険と同様に「支払った人」の税金の計算で控除します。

所得控除される金額は支払った地震保険の保険料そのままなのですが、MAXで5万円までです。

また剰余金の分配などがあった場合は、支払った保険料の金額から受け取った剰余金の分配の金額を差し引きした金額が地震保険料控除の対象になります。

地震保険料控除は平成18年の税制改正で「損害保険料控除」が改組されたものなのですが、その経過措置として次の要件を満たす居住用家屋等の火災保険及び本人等の傷害保険については地震保険料控除の対象にしてよいことになっています。

  • (ⅰ)平成18年12月31日までに契約を結んでいる
  • (ⅱ)保険期間が10年以上
  • (ⅲ)満期返戻金がある

この3つの要件を満たす「長期損害保険」については次の金額が所得控除されます。

この表に当てはめて計算した金額と先ほどの地震保険料の金額の合計額が「地震保険料控除」として控除されるのですが、両方を足した上限は50,000円となっています。

つまり、地震保険個別では上限が50,000円、長期損害保険個別では15,000円が上限ですが、仮に両方MAXが対象であったとしても合計した65,000円ではなく50,000円が地震保険料控除の対象となるということです。

まとめると次のようになります。

(3)社会保険料控除
社会保険料控除はその名前のとおり支払った社会保険の金額を所得控除するものです。

対象は「国民年金」「国民年金基金」「国民健康保険」などです。

控除される金額は支払った金額の全額ですので、生命保険料控除や地震保険料控除などのような計算は必要ありません。

国民年金と国民年金基金は社会保険庁から送付されてくる控除証明書を必ず添付しなければいけませんが、国民健康保険については金額だけでも問題ありません。

実際市町村によっては健康保険の控除証明書を発行しないところがあります。

(4)小規模企業共済掛金控除
小規模企業共済とは経営者が自分の退職金を国の機関に積み立ててもらうために支払う掛け金のことです。

詳しくは後でご説明をいたします。

ここでは小規模企業共済は支払った金額の全額を所得控除できると覚えてください。

小規模企業共済も社会保険と動揺に控除証明書が必要になります。

ここまで保険関係の所得控除を見てきました。

その他の扶養控除などを全て計算して、その合計額を?の合計欄へ記載してください。

では次は右の「税金の計算」へ移動します。

?の欄は「⑨の所得金額の合計額」から「?の所得控除の合計額」を引いた金額になります。

つまり今年の税金の対象となる「所得金額」ということです。

この金額に税率が掛け算されるのですが、計算方法が少し複雑なので次の表を見ながらご説明します。

所得税は「累進課税」と呼ばれて、儲けが大きい人ほど税率が高くなるように設定されています。

その区分が上の表のようにされています。

ですが税率区分のギリギリのところで、少しだけ所得が多くて上の税率が課税されるのは不公平ですよね。

それで税率を掛け算したあとに「控除額」というのが区分ごとに認められています。

一つ上の税率区分に行くと控除額もアップしているのがわかりますでしょうか?

この控除額のおかげで税率区分が一つ上がったからと言って、急激に税額が上がることはなくなっています。

参考に所得と税額の関係をまとめると次のようになっています。

なだらかに税額が上がるようになっているのがおわかりですね。

さて少し横道にそれましたが、結果的には一番左端の「計算方法」に従って計算すれば税金は求まります。

求めた税額を?の欄に記入し、そのまま同じ金額を?の欄に記入します。

住宅ローン控除を受けている人は?の欄に住宅ローン控除の金額を記載して、引いた金額を?へ記入してください。

?の源泉徴収税額の欄は注意が必要です。

ライターさんやデザイナーさんのように、得意先から支払いを受ける際に「源泉所得税」を天引きされている人は、ここで天引きされていた源泉所得税額を記入するのです。

天引きされたということは、先に税金を支払っているのですから、もし記入し忘れたら二重で税金を納めることになってしまいます。

また源泉所得税を天引きされている人は確定申告書に先方からもらった「支払調書」を添付しなければいけません。

?の欄がある人は?から?を引いた金額を?へ記入し、?の欄が無い人は?の金額をそのまま?へ記入してください。

年内に所得税の予定納税をした人は、予定納税をした金額を?へ記入します。(予定納税をした人は税務署から送られてきた確定申告書にあらかじめ印字されています)

そして?から?を引いた金額が今年納める所得税の金額、または還付を受ける金額になります。

還付を受ける人は下のほうに還付金を受けとる口座の情報を記載する箇所がありますので、忘れずに記載してください。

次は「その他」の欄の記載です。

ここは青色申告の人なら、専従者給与を支払っている場合にその金額を記載したり、青色申告特別控除の金額を記載したりする箇所です。

白色申告の人であれば専従者控除の金額を記載してください。

さてこれで第一表も完成しました。

どうですか?

わからない箇所はなかったでしょうか?

第一表は「考える」というより「集計して転記する」書類ですので、もし作り方がわからないときは税務署に質問してみてください。

つぎは第二表へいきましょう。

第二表で事業所得の人が記載する箇所はそう多くありません。

まずは上記のように基本事項を記載してください。

つぎは専従者に関する事項です。

【4】事業専従者に関する事項

専従者については何ケ所も記載する箇所があります。

ここも記載内容は名前や生年月日等の基本的な事柄だけです。

ですが記載もれが多い箇所ですので忘れずに記載するようにしてください。

あとは所得控除の明細を「所得から差し引かれる金額に関する事項」に記入します。

ここは金額を記載するだけの箇所です。

配偶者控除や扶養控除がある人は家族の名前や生年月日も記載するようにしてください。

第ニ表はだいたいこれで完成します。

これで収支内訳書や青色申告決算所の作成から第一表、第二表まで全てご説明させてもらいました。

慣れない方には確定申告書の作成は本当に大変だと思います。

時間もかかると思います。

「時間」と「お金」を天秤に掛けて、時間が重要と判断させた方は税理士事務所にマル投げするのも選択肢の一つだと思います。

6.事業専従者に関する事項

【1】消費税はいつからかかるの?

個人事業主が確定申告で支払わなければいけない税金は所得税だけではありません。
場合によっては消費税も納める必要があります。

消費税は売上などの8パーセントを「お客様から預かっている消費税」と考え、経費の8パーセントを「支払った消費税」と考えます。
そして「預かっている消費税」から「支払った消費税」を差し引いた金額が「納める消費税の額」となるのです。

この「消費税」には「免税期間」が設けられています。
つまり消費税を支払わなくて良い期間です。
その期間は「事業を始めてから2年間」です。

逆にいうと事業を始めて3年目からは消費税がかかってくるのです。
また1年目の売上が1000万円以下の場合は3年目も消費税は免税となります。
4期目以降は「2年前の売上が1000万円を超えているかどうか」で判断するとお考えください。
この判定で1年間の売上高が1000万円超になった年から消費税が発生します。

消費税は1年目、2年目はかからない。3年目以降は2年前の売上が1000万円を超えたらかかってくる、と覚えておいてください。

【2】消費税の「原則課税「簡易課税」

消費税の計算方法には「原則課税」と「簡易課税」の2種類があります。

「原則課税」とは売上高などの収入の8パーセントを「お客様から預かっている消費税」、経費の8パーセントを「支払った消費税」と考え、その差額を税務署に納める計算方法のことです。

「簡易課税」とは売上高に「業種ごとに法律で決められた率」を掛けた金額を「支払った消費税」と考える方法です。
そして売上高などの収入の8パーセントの「お客様から預かっている消費税」から「支払った消費税」を引いた金額が税務署に納める消費税の額になります。
「業種ごとに法律で決められた率」は次のようになっています。

  • 卸売業・・・90パーセント(第一種事業と言います)
  • 小売業・・・80パーセント(第二種事業と言います)
  • 製造業、建設業、農林水産業など・・・70パーセント(第三種事業と言います)
  • 飲食業、他の区分に該当しない事業・・・60パーセント(第四種事業と言います)
  • サービス業、不動産業・・・50パーセント(第五種事業と言います)

ただし簡易課税を選択する場合には2年前の売上高が5000万円以下でなければいけません。
2年前の売上高が5000万円を超えていれば自動的に「原則課税」となります。

また簡易課税を選ぶときはは計算期間の1年が始まる前に税務署に届出なければいけません。

つまりどちらが有利になるかを予想して届出書を提出しなければいけないのです。

結果的には必ずしも「簡易課税が有利になる」とは限りません。
どちらが有利になるかを一度シミュレーションして選択するようにしてください。

【3】課税仕入れにならない経費はどんなもの?

消費税の計算方法は、売上高などの収入の8パーセントを「お客様から預かっている消費税」、経費の8パーセントを「支払った消費税」と考え、その差額を税務署に納めるというものでした。

では「利益の8パーセントが消費税か」というと、それは間違いです。
なぜなら「経費の中には消費税がかかっていない経費がある」からです。

たとえば「給料」。
給料を税込みでもらったとか、そんな話は聞かないですよね。
給料はいくら支払っても消費税は安くならないということです。

他には「減価償却費」「社会保険料」「損害保険料」「損害賠償金」「お祝いなどの慶弔金」「社宅の家賃」「国際電話」「国際運賃」「海外への旅費」「事業税」「固定資産税」「印紙代」などなど。
これ以外にも消費税がかかっていない経費はたくさんあるのです。

「所得税の経費」≠「消費税が引ける経費」なのです。
多くの場合「所得税の経費」>「消費税が引ける経費」となってしまいます。
すると利益の8パーセントよりも大きな金額の消費税がかかってくることになります。

つまり赤字であっても消費税は発生する可能性が高いということです。
消費税のことを念頭においておかないと、突然大きなお金が出ていくことになります。
十分ご注意してください。

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