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失敗しない!?会社設立のルール5「源泉所得税」
Eさんはゲームのデザインやシステムを作る会社に10年間勤務するサラリーマンです。
納品先のゲームメーカーからも部下からも信頼を集める敏腕プロデューサーで、社内でも将来を羨望される存在でした。
一見順風満帆なEさんにある日突然降って湧いたような危機が襲い掛かりました。
「情報漏洩疑惑」です。
ライバル会社が発売したゲームが、制作中のゲームと瓜二つなのです。
特に問題となったのが、Eさんしか知らないはずのデザイン。
今回のゲームの目玉となっていたのは斬新なデザインでした。
そのデザインがライバルのゲームで使われていたのです!
その結果、疑惑はEさんに集中することとなったのです。
Eさんは役員会議に呼び出され、集中砲火で攻められました。
身に覚えが全くないEさんは、もちろん猛反論。
しかし、役員の疑惑は深まるばかりです。
Eさんの部下以外の社内全員が疑いの目でEさんを見るなか、ついにEさんは会社を去る決心をするに至ります。
会社を去る最後の日、失意にうちひしがれたEさんに部下から思いもよらない事実が伝えられます。
部下:「Eさん、真犯人がわかりました。どうやら役員の一部の人たちがEさんが役員に昇格するのを妨害するために仕組んだようです。」
Eさん:「なんだって・・。そんなバカな・・・。」
部下:「Eさん、私たちも一緒に会社を辞めます。こんな会社のために働く気になりません。Eさんが社長になって会社を立上げませんか!」
Eさん:「そうだな、一度キリの人生。勝負を賭けてみよう!」
こうしてEさんは、状況に追われるようにして会社を設立する運びになりました。
このような経緯で独立したEさんが考える会社のモットーは「社員を大事に」です。
Eさんの部下15人がEさんを頼って新会社に転職してきました。
新会社はEさんの人脈やメンバーのレベルの高さではじめから順調に売上を上げていきます。
その分給料もはずみますが、Eさんにとっては心地よい経費でした。
会社を設立して半年ほど経ったある日、税務署から電話がかかってきます。
税務署:「社長、役員報酬や給料は出ていませんか?」
E社長:「ええ、出ていますが。それがどうかしましたか?」
税務署:「では源泉所得税の納付が漏れていますね~」
E社長:「え?!税金の通知は何も来てなかったですよ!」
税務署:「はい、源泉所得税は通知や納付書を毎月送ったりしません。役員報酬や給料を支払えばその役員報酬や給料の所得税を翌月10日までに納めていただかないといけなんですよ。」
E社長:「そんな税金があったんですね・・・。知らなかったです・・・。」
従業員の給料は手厚くしていました。
残業代も含めて平均すると一人あたり月給40万。
Eさん自身の役員報酬は月100万です。
その役員報酬や従業員の給料にかかる源泉所得税として180万円の税金を徴収されました。
さらに不納付の罰金が18万円のおまけ付きです。
資金繰りの予定になかった200万円近い税金は痛い出費です。源泉所得税の怖いところは、基本的に税務署から申告書などが送られてこないところです。
会社を作った一番最初に1年分くらいの納付書が入った封筒が送られてきますが、その後は何も来ません。
毎月自分で計算して納付しなければいけないのです。 知らないまま会社を運営していくと痛い目にあう税金です。