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失敗しない!?会社設立のルール3「青色申告」
「司法書士の先生は会社設立のプロだ。マル投げでお願いしておいても問題ないだろう」
そう、Cさんはこのように思っていたのです。 そして会社が出来上がったことで安心してその後の税務署や市役所への設立届けを出すのを忘れてしまったのです。結局Cさんは設立をした後、あまりの忙しさに税理士を探す余裕がなく、税理士と顧問契約ができたのは設立してから4ヶ月が経ったときでした。
設立から1年。
設立前に受注した大型のシステム開発案件は納品まで1年以上を要する大型案件で、まだ引き渡せていません。 売上金の入金もシステムを納品後と決まっていました。 結局Cさんの会社は第1期は売上が全く上がらず、家賃や消耗品費などの経費だけが経常され赤字でフィニッシュです。 赤字額は1000万円の大赤字。 でも第2期はシステムの納品が決まっているので、1000万の黒字になる見込みです。 これらは全部Cさんの想定の範囲内のことなので、1000万という赤字も特に気にしていません。なにより、Cさんは「繰越欠損金の損金算入」という制度を知っています。
この制度は法人で出た赤字はその次の事業年度から10年間以内の黒字と相殺できるというものです。
つまり、今期の1000万の赤字は、来期の1000万という大きな黒字と相殺になり、結局第2期も税金が発生しないのです。
Cさんはそう思ってましたので赤字も全く痛くなかったのです。さて、はたして思惑通りにいったのでしょうか?
しかしこの話は実は良く耳にする話なんです。
たしかに司法書士の先生に任せておけば会社の設立は完璧です。
しかし、設立後のフォローは別問題。 とくに税金面は専門外です。 そこまで司法書士の先生に求めるのは無理な話です。 ですので、設立して一安心していてはいけなかったのです。この他にも青色申告の届出ができていないと、10万円以上30万円未満の消耗品を買ったときに、1年で全額経費にすることが認められません。
減価償却の特例などの有利な規定を受けることができなくなってしまいます。
そもそも青色申告でない法人は社会的に信用を持ってもらえません。 銀行なども白色申告の法人は相手にしてくれないのです。青色申告でなくなることは「百害あって一利なし」の最悪の状況なのです。
Cさんはキチンとしていれば納めなくてよかったはずの税金を、来期350万も納めることになりそうです。
【ルール3】 法人設立したら税務署への届出があることを忘れるな!
~用語解説 「青色申告」~
税金の申告の仕方は「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。 「青色申告」とは、日々の取引を正しく簿記のルールにのっとって会計帳簿をつけ、その根拠となった書類を保存している場合には、優遇措置を認めた有利な申告を認めるという制度です。 主な優遇措置には- 1 損失が出た場合にその損失を10年間まで繰り越すことを認め、将来に利益が出たときには利益と損失を相殺することを認める
- 2 30万円未満の資産は1年で全額経費に落とすことを認める
- 3 特定の資産を取得した場合、通常よりも多くの減価償却をすることが認められる(特別償却)
- 4 税務調査で税務署が更正処分をしようとすると、その理由を付記しなければならない