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失敗しない!?会社設立のルール8「生命保険」
会社を設立すると多くの業者さんが営業に来ます。
ダイレクトメールや営業電話もガンガンかかってきます。
どこで情報を掴んだのだろうと思いませんか?
実は会社の謄本は法務局に行くと誰でも見ることができるのです。
生命保険の勧誘員もその一人です。 ピンポ~~ン。H社長:「はい、どちらさまでしょうか?」
生命保険勧誘員:「○△生命の×□と申します。今日は社長さんに生命保険のご提案に上がらせてもらいました。」
H社長:「うちは結構です。間に合っていますから」
生命保険勧誘員:「そうですか~、節税にも役立つお得な保険なんですが」
節税?
税金が安くなるのか!
H社長は節税には非常に興味を持ってます。 そういえば以前市販の書籍で生命保険が会社の経費になるという内容を読んだ記憶があります。H社長:「じゃあ、話だけ聞きます。話だけですよ」
生命保険勧誘員:「ありがとうございます!」
H社長は「節税」という甘い言葉に心を動かされて生命保険の勧誘員さんを部屋に入れてしまったようです。
こうなると、もう勧誘員の思うツボです。
話だけ聞いておこうと思っていたH社長ですが、知らず知らずのうちに勧誘員のペースに飲まれていきます。
提案されたのは、最近発売された新商品の生命保険。
支払った全額が経費になる上に、5年目以降は解約すれば返戻金が払い込み金額の150パーセントになるという商品です。
すごくお得なプランのような気がしてきます。 それどころか、今入らないと大損をするような気になってきました。保険料は毎月10万円に設定しました。
毎月10万円の保険料は安くない金額ですが、年間120万円が経費になって、いずれ返って来るのであれば我慢もできるというものです。
生命保険勧誘員:「では契約書のここに自署押印をしてください。健康診断の日程はあさってで良いですね」
H社長:「あ、はい。これでいいですか?健康診断ね、あさって、あさっては・・・。あ、大丈夫です!」
生命保険勧誘員:「でもH社長、よかったですね~。会社を作ってすぐに新商品の有利な節税ができたじゃないですか!ヨーロッパでは一般的なタイプの商品なんですが、日本初登場ですよ。うちが外資系生保だからこそ提案できたんです!」
H社長:「ありがとうございました。いやぁ~、人の縁って大事ですね~」
H社長、すっかり有頂天ですね。
この生命保険が後日H社長を真っ青にさせます。
時は過ぎて1年後、会計事務所との決算打ち合わせ。
会計事務所:「H社長、この生命保険の保険証書を拝見できますか」
H社長:「ああ、はいどうぞ。」
会計事務所:「・・・・ん~~、H社長、この生命保険は経費にならないタイプですね」
H社長:「ええっ!いや加入するときに生命保険会社から経費になると言われましたよ!!」
会計事務所:「この保険、今年の税制改正で取り扱いが変わったんですよ。加入時は経費だったんですけどね・・」
H社長:「そんな説明聞いてませんよ。生命保険会社の落ち度です。税金分を請求できますよね!!」
会計事務所:「いやぁ~、無理でしょうね。この保険証書の規約のほら、ココ見てください。」
「今後、税務の取扱い等が変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。」
H社長:「そんな・・・。」
じつは生命保険に関する税制はよく改正されます。
生命保険は、保障面にスポットを当てると経営のリスクを下げる上で非常に大事なものです。
まずは保障面から必要性を考えて、その後、費用になるのかならないのか、費用になるとしたら支払った金額の何割が経費になるのか等を税理士に確認して、十分検討してから加入してください。
いままで経費になっていたものが急に経費にならなくなるということもよくあります。
特に「新商品」と言われる保険については、税制のメスが入っていませんので入る可能性が高いです。 生命保険会社の販売員には悪気はないでしょう。 会社が力をいれて販売するように指示する新商品を、本当に役立つと思って勧めているのです。 生命保険については事前にかなりの税法の知識は必要になります。 自分で自衛するしかありません。 甘い話には落とし穴があるもの。お得な生命保険を知ってもすぐに加入せず、税理士などに相談してから加入するようにしましょう。
【ルール8】 生命保険は税制改正が怖い。専門家に確認してから加入すること!
~用語解説 「法人契約の生命保険」~
生命保険は税務上の取り扱いがよく変わります。昨今は、節税を目的とした法人の生命保険の勧誘は、監督省庁から規制がかかっています。生命保険は、保障面にスポットを当てると経営のリスクを下げる上で非常に大事なものです。
まずは保障面から必要性を考えて、その後、費用になるのかならないのか、費用になるとしたら支払った金額の何割が経費になるのか等を税理士に確認して、十分検討してから加入してください。